住宅評論家 櫻井幸雄

全国の住宅事情に精通し、現場取材に裏打ちされた正確な市況分析、わかりやすい解説で定評のある、住宅評論の第一人者。毎日新聞で連載コラムを持ち、Yahoo!ニュース「個人」でも住宅コラムを連載中。テレビ出演も多い。

ウィズコロナのマンション選びで関心を高めているのは、ゆとりある暮らしと生活利便性……緑に囲まれた郊外の暮らしもよいが、やはり都心への通勤利便性を外すことはできない。結局、多くの人が注目するのは、都心への通勤が便利な場所で、しかも身近に「潤い」のある地のマンションではないだろうか。 
そこで、注目したい場所が、「東京23区内で、山手線外側」エリア。「ジオ南砂町」は、「大手町」駅から11分の「南砂町」駅を最寄りとし、身近に緑があり、買い物が便利で暮らしやすく、建物の高品位さも備えるマンションだ。
同マンションで注目したい5つのポイントを解説したい。

「ジオ南砂町」の建設地は、東京メトロ東西線「南砂町」駅から徒歩12分。建設地である江東区東砂7丁目は大手町から約6.4㎞圏に位置する。不動産表記の基準である80m=1分で計算すると、「大手町」駅から歩いて1時間20分……これは、冗談で記したのではなく、「もし大地震などで電車がすべて止まったとき、大手町から何時間歩けば帰ることができるか」を試算したものだ。 同じ「大手町駅から6.4㎞圏」を地図上で探すと、「新宿」駅、「渋谷」駅、「恵比寿」駅、「品川」駅の周辺が該当する。それくらい「ジオ南砂町」の建設地は都心部に近い。 ちなみに、通常は「大手町」駅から地下鉄東西線に乗り、最寄りの「南砂町」駅までは直通11分の所要時間だ。 「南砂町」駅から現地まで徒歩12分となるので、都心勤務の場合、ドアツードアの通勤時間が30分以内になる人もいるだろう。 都心への通勤が便利であるのは、ウィズコロナの暮らし方が模索される現在、注目すべき立地特性となる。 コロナ禍で緑や自然が身近な場所で家族が穏やかに暮らすことに憧れる人が増えた。が、あまり遠くには住みたくない、というのが多くの勤め人の本音というものだろう。
6月以降、首都圏では通勤時間帯の電車が混み始めている。コロナ禍以前と比べると多少余裕があるものの、それでも「密」具合が気になり、うっかり咳もできない混雑度だ。
その「混んだ電車」に長時間乗りたくないという気持ちは多くの人の胸の内にあるのではないか。
すると、「大手町」駅までの所要時間11分は、大きな魅力となるはずだ。
コロナ禍はいずれ終息するはず。そのときでも、都心に近いアドバンテージは残る。
都心に近いことは、「ジオ南砂町」の第一の注目点となるわけだ。

「南砂町」駅を最寄りとし、買い物施設が身近に複数あることが、「ジオ南砂町」の二つ目の注目点だ。
食料品のイオン館を中心にした商業施設「トピレックプラザ」まで歩いて1分から3分(巨大な商業施設なので、場所によって到達時間が変わる)だし、106の専門店が集まる「SUNAMO」とイトーヨーカドー北砂店を中心にした「アリオ北砂」もそれぞれ自転車で5分と7分だ。この一帯は坂道がなく、自転車が重宝する場所で、実際自転車で買い物に出かける人が多い。 スーパーマーケットを中心にした大規模商業施設が身近に複数あること。それは、「ジオ南砂町」に暮らす大きな利点となるはずだ。 たとえば、山手線内側エリアに暮らすと、庶民的な値段で買い物できるスーパーマーケットを探すのに苦労する。これは、夫婦二人暮らしのときも、子育てしているときも、年を取って年金暮らしになったときにも悩みのタネとなる。 その点、「ジオ南砂町」に住めば、日々の買い物で不満が生じにくい。駅からの帰り道に「トピレックプラザ」がある立地条件は、共働き世帯にとって特にうれしいはずだ。 都心に近く、買い物が便利なマンションは、多くの人に好まれる。ということは、資産価値の維持に有利だし、子供や孫に譲っても、代々喜ばれる要因になる。 さらに、シニアになって高齢者施設に移るとき、賃貸に出せば、家賃収入を長くもたらしてくれる。これは、公的年金が先細りになることが懸念されている現在、将来に対する大きな心の支えになるだろう。

「ジオ南砂町」の建設地には、あまり知られていない、と考えられる立地特性がある。それも、2つも……。
一つは、東京23区内にあっては、なかなかお目にかかれない“自然”が身近であることだ。 具体的には、建設地の北西側、「ジオ南砂町」から約200m・徒歩4分のところに、大規模な親水公園「仙台堀川公園」があることを指す。 仙台堀川公園にはカワセミが生息しており、その様子をカメラに収めようと写真好きが集まっている。インターネットで「仙台堀川公園」「カワセミ」と検索すると、いくつもの項目がでてきて、私はYouTubeで2020年1月に撮影された映像もみつけた。23区内で「カワセミ」など、なかなか出会えないだろう。 都心部に残る自然が、身近なわけだ。それが、「ジオ南砂町」のあまり知られていない立地特性の一つ目となる。
二つ目の「あまり知られていない立地特性」とは、東京メトロ東西線で、現在、複数の駅の改良工事が行われていることだ。 地下の路線であるため、複々線化するようなことはできないが、駅のホームを広げて乗り降りをしやすくする。またホームを増やし、乗降に手間取っているときでも、後続車両がホームには入れるようにする……これらの改良で、混雑を緩和させる計画が進められている。
東西線の南砂町駅改良工事は2028年度完成予定。駅改良工事の効果に大いに期待したいところだ。 ちなみに、東京メトロでは有楽町線が豊洲-住吉間を延伸させる計画がある。これが実現すると、東西線東陽町駅で有楽町線と連絡。有楽町線に乗り換える人が出るので、東西線のさらなる混雑緩和も期待される。

「ジオ南砂町」には、建物の注目点も多い。 まず、外観が美しい。 外壁にはタイル張り部分が多く、バルコニーの手すりはコンクリートとガラス手すりに分けられ、ガラス手すりには異なるデザインを採用し、単調にならないようにデザインされる。 建物全体の入り口には、石積みが設けられ、その上に植栽が施される。エントランスの前に石積みと植栽を配置するのは、都心高額マンションでよく見られる手法。マンションの見栄えを上げてくれる意匠である。そして、マンション全体の入り口となるエントランスは二層吹き抜けで、高級感が漂う。マンションをみるとき、私は外観とエントランスのつくり、そして、建物を飾る緑に注目する。外観・エントランスに将来も変わらない魅力があれば、高評価を与える。具体的には、タイル、ガラス面の多い外壁や天然石を多用した外観・エントランスまわりは経年変化を起こしにくく、風合いを増してゆくはず。そして、樹木は風合いを添える。 「外観とエントランスが魅力的なマンションは人気が落ちず、中古になっても値段が落ちにくい」というのが、私の認識。だから、経年変化を起こしにくい外観とエントランスをマンションの「財産」と考えるわけだ。 「ジオ南砂町」は、外観とエントランスに魅力の多いマンションと評価される。

「ジオ南砂町」は、全348戸の大規模で、2LDK、3LDKのファミリータイプで構成される。すべての住戸は南向き中心で、1階には専用庭付きプランも用意されている。 3LDKは70㎡前後の広さを備え、ゆとり重視のプランニングと評価される。
そして、すべての住戸内には、暮らしにゆとりを生む工夫が凝らされる。 たとえば、住戸内は二重床・二重天井で天井高は、2m45㎝から2m50㎝あり、内蔵梁の採用で、下がり天井(天井の一部が低くなっていること)が少ない。それら、目立たぬ工夫により、室内の開放感が増している。
さらに、バルコニーの柱はもちろん、共用廊下側の柱も極力住戸の外に出すことと、室内の廊下を極力短くすることで、住戸内の有効面積を増やす工夫もある。 キッチンにディスポーザー(生ゴミ粉砕処理機)と食器洗い乾燥機を標準設置し、水栓金具はドイツ・ハンスグローエ社製。システムキッチンの天板には天然の御影石が採用されることも特徴だ。
窓に用いられるのはペアガラスよりも高機能なLow-Eガラスで、トイレでは、便器とは別に手洗いカウンターが設置される。そして、居室内のコンセントは、一般的な二口ではなく、三口。コンセントの差し込み口が3つ設けられているタイプだ。 それらは、日々の暮らしで効果を発揮してくれるはず。たとえば、手洗い器が便器とは別にあると、手を洗ったときの水はねが少なく、掃除するときも水を使いやすい……そんな便利さを知ることになるだろう。 いずれも、阪急阪神不動産が得意とする「細やかな心遣い」の一部といえる。 20年ほど前から、同社が手がけている「ジオ」シリーズのマンションを関西・関東で数多く見てきた私には、そう思えてならない。

「ジオ南砂町」は、
プレファミリーにも勧めたい
マンションである

「ジオ南砂町」は、ファミリー向けマンションである。が、子育て中のファミリー世帯だけでなく、まだ子供がいないDINKS世帯や結婚を間近に控えたカップル、プレファミリ−にも向くマンションといえる。
というのも、共働きの若いカップルに適した条件を多く備えている、と思われるからだ。
都心に近いことは、共働き世帯の生活を助けてくれる。駅からの帰り道で買い物ができる立地条件も好ましい。将来、子供が生まれたときでも十分な広さがある間取り、大きな公園が身近にあることも、これから家庭を築こうとする若い世代向きだ。 従来、これから結婚をする若い人たちは、とりあえず賃貸暮らしをするケースが多かった。新婚生活を営む新居は、「まずは賃貸」で、5年後くらい先のマイホームを購入を目指す。 が、このプランの短所は、数年しか住まない賃貸の費用がもったいないということ。返還される敷金はともかく、礼金に手数料、更新の費用もムダといえば、ムダである。賃貸暮らしに必要なタンス、ガスコンロなど、分譲住宅を買うと備え付けられているために不要となるものも少なくない。「最初に短期間の賃貸暮らしを行うと、ムダが多い」わけだ。 さらに、今回のコロナ禍により、狭い賃貸を借りることへの抵抗も生じた、と話す結婚前カップルが多い。 数年後にマイホームを買いたいと考えているので、贅沢な賃貸を借りることはできない。貯金を殖やすため、賃貸時代は質素に暮らす。すると、借りる賃貸は狭い1DKとか2DKになりがちだ。 ゆとりのない住まいで、再び「ステイホーム」や「テレワーク」をしなければならなくなったら、どうしよう……考えた末に、「だったら、最初から目指すマイホームを買ってしまおう」と考えるプレファミリーが増える……そういう現象が今、起きている。 コロナ禍が若い世代のマイホーム購入を後押しした側面は否定できない。 これから結婚しようと考えている2人だから、子供はまだいない。そして、基本的に共働きである。いわゆるDINKSなので、購入する住宅の第一条件は便利さ。2人の勤め先に近い駅で、買い物便利な場所が好ましい。 「ジオ南砂町」は、その条件を見事に満たしている。若い2人だから、これからの人生は長い。共働きの期間、子育ての期間、シニアになって2人暮らしに戻る期間……長く満足度が続くマンションを選んでいただきたいと願っている。

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