いったいどこから入ってくるの?!
マンションのコバエ対策、その原因と撃退法とは?
「マンションの高層階には虫が出にくい」と言われますが、高層階であっても夏の季節になるとどこからともなく発生するのがコバエ。コバエというのは小さなハエの総称で、病原菌などを媒介する深刻な害虫ではありませんが、繁殖能力が非常に高く見た目にも不快感があるため、発見したらすぐに駆除と予防対策を行うことが大切です。そこで今回のジオプラットでは、コバエが発生する原因と撃退法・予防法について解説します。
高層階に虫は出ない!は迷信、コバエはいったいどこから侵入するの?

コバエの体長は2~3ミリ程度ととても小さいため、ちょっとしたすき間があれば侵入可能です。マンションでは、窓を開けた時のサッシや網戸のすき間のほか、エアコンのドレンホース、排水管などを伝って侵入してくるケースが多いようです。
また、都市部ではヒートアイランド現象により地表の温度が高くなると上昇気流が発生し、その気流にのって高層階までたどりついてしまうことも。「マンションの高層階は虫が出ない」と安心して窓を開けっぱなしにしておくと、コバエなどの害虫を引き寄せることになるため注意が必要です。
他にも、観葉植物の土の中にコバエが混入し、それに気づかないまま自宅内へ持ち込まれてしまうこともあります。
キッチンまわりだけじゃない、コバエが繁殖しやすい場所とは?
コバエといえばキッチンまわりに発生するイメージがありますが、実は日本国内に生息しているコバエの種類は250種以上。それぞれに生態が異なっており、発生する場所にも違いがあります。共通しているのは気温30度前後、湿度70%前後の「高温多湿の環境を好む」ということ。また、水のある場所や、餌となる有機物(例えば腐った果実・植物・皮脂など)がある場所で繁殖しやすくなるため、マンションでは主に次の5カ所が「コバエ発生警戒スポット」となります。
①キッチンの三角コーナーやゴミ箱まわり
②糖分やアルコール分が残った空き缶や空き瓶
③観葉植物の土の中や水が溜まった受け皿
④ペットの餌台まわりやトイレまわり
⑤キッチン・お風呂・洗面・トイレなどの排水口まわり
この5つの警戒スポットに注意した上で、コバエを大量発生させない環境を整えましょう。
コバエの大量発生を防ぐために、今すぐ試したい3つの対策
【対策①】水まわりをキレイに保つ
コバエの大好物は、生ごみ、食べ残し、アルコールなどの発酵臭や腐敗臭。まずはそのニオイを発生させないことが第一の対策となります。食べ残しは放置せずにすぐに片付けること。生ごみの袋は口をしっかりと結ぶこと。また、ニオイが付着しがちな三角コーナーだけでなく、ゴミ箱についても定期的に洗浄するなど、水まわりの清潔感を保ちましょう。
【対策②】排水口の清掃もしっかりと
浴室や洗面・トイレに出現するコバエは夜行性の種類が多く、昼間は壁にとまって静かに過ごしています。夜になると排水口のヌメリやニオイを好んで活動しはじめるため、夏場は特にこまめに排水口の清掃を行いましょう。
なお、「排水口の清掃には熱湯を流すと良い」といった方法がSNSなどで紹介されることがありますが、これは大きな間違い。熱で排水管内部を傷めてしまうため、熱湯を流すことは絶対にやめましょう。排水口の掃除でお湯を流す場合は40~50度前後が適温。市販の塩素系漂白剤のほか、重曹とクエン酸を組み合わせてお掃除すると、悪臭やヌメリを解消できます。

【対策③】侵入経路を塞ぐこと
コバエの通り道を作らないことも大切な対策です。まずは窓や網戸を開けっぱなしにしないこと。網戸をぴったり閉じたつもりでも、窓が半開き状態になっているとサッシと網戸のすき間からコバエが侵入することがあります。
また、網戸に取り付けられている「モヘアテープ」が劣化している場合も、その隙間が侵入経路となってしまうため、早めに取り替えましょう。窓のすき間が気になる場合は、100円ショップ等で販売されている「すき間テープ」を貼って塞ぐようにすると良いでしょう。
ちなみに、コバエはハッカ、ユーカリ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリー、シトロネラなどの香りを嫌います。窓や玄関の入口でアロマディフューザーを焚いたり、網戸や侵入経路周辺に精油を水で薄めたスプレーを吹きかけておくと、コバエを寄せ付けない効果が期待できます。
もしもコバエが発生してしまったら・・・
しっかり予防対策を行っているつもりでも、どこからともなくやってくるのがコバエ。「既にコバエが飛び回っている」という場合は発生源を特定し、清掃をおこなった上で市販の殺虫剤や忌避剤を散布しましょう。このとき「見つけたらすぐに対処する!」が大量発生を防ぐための鉄則となります。
また「キッチンまわりで強い薬品成分を使いたくない」という方は、自家製のコバエトラップを作る方法も。実はキッチンまわりに発生するコバエの多くは、めんつゆ・お酢・ワイン・日本酒などのアルコール成分を好むため、その香りで誘引することで既に飛び回っているコバエを駆除できます。
【自家製コバエトラップのつくり方】
●使い終わったペットボトルを3分の1にカットしたもの、または紙コップ(色は透明または白)を用意する
●3分の1ぐらいまでめんつゆ(または、お酢やワイン・日本酒でも可)を入れ、同量の水で薄める
●食器用の中性洗剤を2~3滴たらして軽くかき混ぜる
●コバエが気になる場所に設置する
香りに誘われてコバエがポトポトと落ちるので、定期的にトラップを交換しましょう。
いかがでしたか?コバエ対策は、他のイヤな害虫やカビ・悪臭の発生を予防する効果にもつながります。まずは水まわりのこまめな掃除と清潔感を心がけ、爽やかに今年の夏を乗り切りましょう。