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忙しい年末、慌てる前にチェックしておこう! 会社員の「住宅ローン減税」申請の注意点

昨年、住宅ローンを利用してマイホームを購入した方は、そろそろ2年目の「住宅ローン減税」の申告準備が必要な季節です。初めての申告はどのような手順で行えば良いのか悩んでしまうもの。そこでジオプラットでは、2年目以降の住宅ローン減税の手続きや必要な書類、注意点などを解説します。

改めておさらいしてみよう!「住宅ローン減税」とは?

マイホームを購入する場合、多くの方が利用することになるのが銀行や金融機関の住宅ローン。住宅取得目的で10年以上の借り入れを行った場合、年末時点のローン残高の1%が納めた所得税(一部住民税)から控除される制度が「住宅ローン減税」です。控除期間は居住開始時期によって異なり、2019年10月から2020年12月までに入居した方は13年間、それ以外の方は10年間にわたって年間最大40万円(※1)の控除を受けることができます。

改めておさらいしてみよう!「住宅ローン減税」とは?

マイホームを購入した初年度は確定申告が必要で、無事に書類が受理されれば通常1〜2ヶ月後に還付金が指定口座へ振り込まれますので、大きな節税効果を実感できます。初年度の申告は忘れずに行いましょう。

※1:11年目~13年目は、以下の①②のうちいずれか少ない方の金額が3年間にわたり所得税等から控除されます。
①住宅ローン残高又は住宅の取得対価のうちいずれか少ない方の金額の1% ②建物の取得価格の2%÷3

注:2019年11月時点の情報であり、税制改正によって控除期間・金額などが変更となる場合があります。

「住宅ローン減税」を受けるための条件は?

住宅ローン減税は「住宅取得者の金利負担を軽減するための優遇制度」なので、控除を受けるためにはいくつかの条件をクリアしなくてはいけません。

  • 控除を受ける年の合計所得金額が3千万円以下であること
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
  • 住宅を取得してから6ヶ月以内に入居し、控除が適用される年の12月31日まで住み続けていること
  • 住宅の床面積が50平方メートル以上で、その半分以上が自身の居住用であること

その他の注意点は?

  • 金融機関以外の親族・知人からの借り入れや、利率0.2%未満の会社からの借り入れは対象外となります。
  • 別荘やセカンドハウスなど居住用ではない住まい購入については対象外となります。

※その他、申請者の所得額、取得した住まいの省エネルギー性能等により控除額が異なるため申請前に確認を。

初年度と2年目以降では手続きが異なるため、注意が必要!

初年度と2年目以降では手続きが異なるため、注意が必要!

会社員の方の場合、住宅取得後の確定申告が必要となるのは初年度のみで、2年目以降は、勤務先の年末調整で「住宅ローン減税」の手続きができるようになります。年末調整で申告を行うと、12月の給与計算によって精算され還付金が支払われるので、ちょっとした「年末のボーナス」を受け取ったような気分になり、減税メリットを実感できます。ただし、個人事業主や自営業の方の場合は、引き続き確定申告が必要です。

  • 住宅取得後の初年度は確定申告で減税手続きを行う
  • 2年目以降、給与所得者は勤務先の年末調整で手続き可能

※ただし、個人事業主や自営業の方は毎年の確定申告が必要

2年目以降、年末調整の手続きのときに必要になる「2つの書類」とは?

  1. 「給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書」兼「年末調整のための住宅借入金等特別控除証明書」(2年目に、9年分まとめて税務署から送られてくる書類)
  2. 住宅ローンの「年末残高証明書」(毎年ごとに、借り入れ金融機関から送られてくる書類)

①の書類(以下、住宅借入金等特別控除申告書と省略)は、1年目に確定申告をおこなったあと、2年目の10月下旬ごろに税務署から自宅(購入した住宅)へ送付されます。このとき、2年目以降の証明書9年分(※入居時期によっては13年分)がまとめて送付されてきますので、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。今後9年間、年末調整時にはこの書類を1枚ずつ提出して申告を行うことになります。

②の「住宅ローンの年末残高証明書」は、住宅ローンを利用している金融機関から毎年10月下旬ごろに自宅(購入した住宅)へ送付されます。複数のローンを利用している場合は、すべてのローンの残高証明書が必要です。この証明書をもとに住宅ローン控除額を計算し、①の書類に記入して勤務先へ提出しましょう。

もしも、申告書や証明書を紛失してしまった場合はどうしたらいいの?

「住宅借入金等特別控除申告書」も「年末残高証明書」も、どちらの書類も再発行が可能です。

「住宅借入金等特別控除申告書」を再発行したいときは・・・

国税庁のホームページから「年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除関係書類の交付申請書」という書類をダウンロードし、必要事項を記入して納税地の税務署に提出しましょう(郵送も可)。再発行書類は通常1週間から10日ほどで自宅へ郵送されます。これらの手続きは無料で行うことができますが、大切な書類ですので紛失には十分注意しましょう。

「住宅借入金等特別控除申告書」を再発行したいときは・・・

「年末残高等証明書」を再発行したいときは・・・

まず住宅ローンを借り入れている金融機関の窓口へ連絡しましょう。再発行手続きの方法は各金融機関ごとに違いがありますが、一般的には窓口を訪れ、免許証などの「本人確認書類」や「住宅ローン決済用通帳」を提示した上で再発行手続きを行います。こちらも無料で手続き可能ですが、書類が届くまでには1週間程度の時間がかかります。

年末調整のシーズンは、税務署も金融機関も繁忙期となるので、通常より書類到着に時間がかかる場合もあります。年末ギリギリの書類集めで慌てないよう、余裕をもって申告準備を行うようにしましょう。

「住宅ローン減税」の申告そのものを忘れたらどうなるの?申告が遅れても還付金を受け取ることはできるの?

「住宅ローン減税」の申告そのものを忘れたらどうなるの?申告が遅れても還付金を受け取ることはできるの?

年末調整での「住宅ローン減税」の申告をうっかり忘れてしまった場合は、以下の2つの方法があります。

  • 勤務先に依頼して「年末調整の修正」をおこなってもらう
  • 年明けに自分で「確定申告」をする

翌年の1月末日までであれば「年末調整の修正」が可能となるので、早い段階で申告忘れに気づいたら、勤務先の担当部署に依頼して修正申告を行いましょう。この修正申告時にも、通常の年末調整と同様に「住宅借入金等特別控除申告書」と「住宅ローンの年末残高証明書」の2つの書類が必要になります。年末調整の修正に間に合わなかった場合は、初年度と同様に自分で「確定申告」を行います。この場合、初年度の申告の際に必要となる「登記事項証明書」や「不動産売買契約書」等の資料の再提出は不要です。なお、2年目以降の確定申告に必要な書類は以下の3つの書類です。

  1. 年末に勤務先から発行された該当年度の「源泉徴収票」
  2. 金融機関から送られてきた住宅ローンの「年末残高証明書」
  3. 税務署で入手できる「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」

③の「住宅借入金等特別控除額の計算明細書」については、税務署の窓口で入手できるほか、国税庁のホームページからダウンロードすることも可能です。この3つの書類を集めたら、必要事項を記入して納税地の税務署へ提出しましょう。この時、初年度ではなく2年目の申告であることを税務署の担当者に伝えると、スムーズに手続きを行うことができます。

なお、今回ご紹介した「住宅ローン減税」による所得税(一部住民税)の控除を含めて、払いすぎた税金の還付を受けることを「還付申告」といいます。還付申告では、確定申告の期間に関係なく、その年の翌年1月1日から5年間の申告期限内に手続きを行えば税金の還付を受けることができるので、「年末調整」や「確定申告」をうっかり忘れた方でも5年間の猶予があり、遅れて還付を受けることは可能です。ただし、「住宅ローン減税」は住宅取得者ならではのメリット。その恩恵を実感するためにも毎年の申告を忘れないように心がけましょう。

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