麻布といえば、東京を代表する高級住宅地の1つ。芸能人・著名人・財界人などが数多く住んでいる事で知られている。寺社の門前町、交通の要所、また大名の下屋敷等もあり、はやくから栄えたこの地域に、安政6年(1859年)、アメリカ公使館が麻布山善福寺に置かれたのを手始めに、各国の使節団の宿泊所が作られた。この周辺には現在、多くの大使館や学校があり、街全体にインターナショナルかつ独特の成熟した雰囲気を醸しているが、それは一朝一夕に培われた物でないことがわかる。
かつての麻布は鉄道アクセスが不便だったこともあってか、大人の隠れ家的なイメージがあった。近年、都営地下鉄大江戸線「赤羽橋」駅、東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅が相次いで開業。特に東麻布エリアは、昔からある都営地下鉄三田線「芝公園」駅を含めて3駅が徒歩圏のうえ、バス路線も豊富で、JRの駅に出るにも便利だ。都心住まいならではの恩恵を実感できるはず。
東麻布を中心に麻布十番、芝公園等、周辺エリアを含めて、その魅力を紹介していこう。
東京ヒーリングタイム
このエリアは長年、東京のシンボルとされてきた東京タワーのお膝元。街のあちらこちらの風景の中に、おなじみの赤白の縞模様が顔をのぞかせる。夜はその姿を一変。ライトアップされ、煌々しく浮かび上がる姿が、街の夜景を美しく彩る(平成23年7月現在、節電対策を施した上で実施中)。ここはまさに東京の中心。それでいながら緑が実に豊富で、憩いの空間が街の至るところに存在する。
住所 | 東京都港区芝公園1・2・3・4丁目 |
電話番号 | 03-3431-4359(芝公園サービスセンター) |
芝公園は明治6年(1873年)開園で、東京都内で最も歴史のある公園の一つ。もともとは増上寺の境内を含む広い公園だったが、戦後の政教分離によって境内の部分が除かれた。現在は増上寺、ホテル、学校、図書館などの施設を取り囲むような環状の公園に。園内にはグラウンドやテニスコート、散策路、また東京都指定史跡の芝丸山古墳も存在する。東端には港区役所、西端には東京タワーが建っており、特に東京タワーを正面に望む東側の散策路はデートスポットとして、ロケ撮影地として親しまれている。
住所 | 東京都港区芝公園4-7-35 |
電話番号 | 03-3432-1431 |
増上寺は、徳川将軍家の菩提寺であるとともに、檀林(学問所及び養成所)が置かれ、関東十八檀林の筆頭であった名刹。境内にある徳川将軍家墓所には、6名の徳川将軍と縁の人々が眠る。今年度のNHK大河ドラマ「江~姫たちの戦国~」のヒロイン・江こと崇源院もその1人。平成24年3月まで、境内には「港区観光インフォメーション」がオープン。増上寺や港区の観光案内やお江関連グッズの販売を行っている。
伝統と流行が交わる街〜 麻布十番商店街
東麻布のお隣、麻布十番。この街の歴史は、江戸時代中期から始まる。麻布十番商店街にある店舗のうち、江戸時代から続く老舗は、豆菓子で有名な「豆源」を含めて8店舗。最も古い店舗は、創業220余年もの歴史を持つという。
住所 | 東京都港区麻布十番1-8-12 |
電話番号 | 0120-410-413(フリーダイヤル) |
営業時間 | 10:00~20:00 |
定休日 | 火曜不定休 |
慶応元年(1865年)創業以来、豆の持ち味と風味を守る製法で豆菓子の味覚を追求してきた老舗中の老舗。数量限定で夕方には売り切れてしまうという「豆かん」、毎朝1回本店でのみ塩ゆでする「赤えんどう」など、ここでしか買えない商品も多い。
近代、麻布十番の周辺には、多くの外国大使館が置かれた。伝統的な街並に、舶来的な要素が加わり、この街は洋風で流行に敏感な人々が集う場所に。そして近年、東京メトロ南北線・都営地下鉄大江戸線「麻布十番」駅の開業をきっかけに、この街は、また新たな様相を見せ始めた。相次ぐ新規開店、老舗による新たな挑戦…麻布十番商店街は、いま日本で一番注目を集めている商店街かもしれない。
住所 | 東京都港区麻布十番1-8-14 |
電話番号 | 03-3583-4975(浪花家総本店) 03-3583-4976(Naniwaya cafe) |
営業時間 | 11:00~19:00 |
定休日 | 火曜(祝日の場合は翌日) 第3水曜(祝日の場合は営業) |
浪花家総本店は明治42年(1909年)創業。日本で初めて、たいやきを考案したといわれ、また1975年の大ヒット曲「およげ!たいやきくん」のモデルになったとも。その老舗が約5年前、店舗の立替えにあわせて、ビル2階に「Naniwaya cafe」をオープンした。たいやきセット、かき氷など和のスイーツを中心に、「稲庭カッペリーニ」(700円)など食事メニューも充実。
住所 | 東京都港区麻布十番2-2-5 |
電話番号 | 03-3798-3191 |
営業時間 | 平日11:00~23:00 土・日・祝 9:00~23:00 (11月~2月は土日祝11:00~) |
定休日 | 原則年中無休 |
数ある麻布十番のカフェの中で、特に外国人客の姿が目につくこの店は"ベジタブル&ビーガンベーカリーカフェ"がコンセプト。NYスタイルの居心地の良い空間とテラスを備え、ゆったりと美味しい料理やドリンクを楽しめる。
麻布十番商店街が、普段と違う顔をみせるのが「麻布十番納涼まつり」。屋台の他、地元商店街の出店、骨董市等、この地ならではの催しとなっており、多くの人で賑わう。例年8月中旬開催。 (但し平成23年は震災の影響で中止が決定)
東麻布の街を歩くI〜 お気に入りのレストランを見つける
麻布の中でも、あまり騒がしさを感じない東麻布エリア。そのためか、住宅地の中にひっそりと存在するような、大人の隠れ家的なコンセプトの店も多い。一説によると、港区には坂が約90あり、そのうちの半数が麻布周辺に点在する。坂のほとんどには名前と由緒が書かれた木柱が。ぶらぶらと坂を訪ねながら、閑静な街並を見て歩くのも楽しい。思わぬ場所に自分だけの素敵なお店が発見できるかも…。
東麻布 逢坂
住所 | 東京都港区東麻布1-24-4 B1F |
電話番号 | 03-5571-5767 |
営業時間 | 平日11:30~14:00 18:00~23:00(L.O.)/土曜18:00~22:00(L.O.) |
定休日 | 日曜・祝日にあたる月曜 |
赤羽橋駅から徒歩約2分。裏通りのビルの地下1階にひっそりと、逢坂は存在する。20席足らずの小さな店ながら、テレビで取り上げられる事も多く、「和食の名店」として、その名声は轟いている。日替わりの創作料理が盛り込まれた「おまかせコース」は5250円~。全国各地から取り寄せた地酒を中心とした酒のラインナップは、通の間で評価が高く、蔵元の会がこちらで開かれる程。昼はランチ・メニューがあり、日替わりや鯛茶漬け等3種類。いずれも1000円とリーズナブルなお値段で、逢坂の料理が味わえる。
住所 | 東京都港区東麻布1-12-11 |
電話番号 | 03-3582-9380 |
営業時間 | 18:00~L.O.22:00 |
定休日 | 日曜・祝日 |
アルゼンチンで日本大使館のシェフを務めるなど、南米で10年以上暮らし、現地の食を極めた浅井敬三氏が、アルゼンチンの"家庭の味"を再現。アルゼンチン・タンゴが流れる店内で味わえる「アルゼンチンのパイ包み」(540円)は、パイ皮から手打ちし、オーブンでじっくり焼き上げた逸品。看板メニューの「アルゼンチン風ソーセイジ(チョリソー)」(1200円)も、浅井氏自ら素材の調達からこだわり、手作りする。厳選したアルゼンチン・ワインとともに、ぜひ。
東麻布の街を歩くII〜 「麻布いーすと通り」東麻布商店会
平成22年1月に放送された「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)の「東麻布BEST30」ランキングで、2位にランクインしたのが、地元商店街である「東麻布商店会」。毎年秋に行われる「かかしまつり」は40年近く続いている地元の手作りイベント。平成20年には「東京商店街グランプリ」に輝いた。
赤羽橋駅から徒歩3分。東麻布1丁目~2丁目のビル街の間を走る「麻布いーすと通り」に沿うように、青果・酒・洋品店・薬局や飲食店等、地元住民の暮らしを支える店が軒を並べる。気取りなく、東麻布商店会どことなく懐かしい雰囲気がこの商店街全体に流れている。また、華々しく宣伝しているわけではないが、客が遠方からもわざわざ通ってくるような、隠れた名店も。世間話を交わしたり、店をひやかしたりしながら、通りをのんびり散策してみるのもおすすめ。
住所 | 東京都港港区東麻布1-29-20 |
電話番号 | 03-5575-0805 |
営業時間 | 12:00~20:00 |
定休日 | 月曜・祝日 |
商店街の入口近くで中国茶や中国茶器等を扱う海風號は、こじんまりした店構えながら、その道では知る人ぞ知る名店。オーナーの設楽光太郎氏は、中国政府公認「中国茶葉学会」に日本人で初めて認められ、会員になった人物。「金奨鉄観音(きんしょうてっかんのん)」「閩南烏龍(みんなんうーろん)」「茉莉針螺(もうりしんら)」等、この店でしか手に入らない茶葉も。「海風番茶」は烏龍茶の茎茶で、すっきりした飲み口。値段もお手頃で、日常使いにと買って行く人が多い。店内では試飲もできる。茶葉もだが、こちらのお店が通の間で名高いのは、むしろ中国茶器や茶道具の品揃えゆえ。土選びからこだわり、中国の北京や宜興で作らせた「海風號」の銘入りのオリジナルの急須も人気だ。
成熟したSocietyと充実した暮らしと
在外公館や名門校が周辺に多いからか、このエリアにはインターナショナルかつアカデミックな雰囲気が漂っている一方、生活に密着した施設や店も充実しており、地に足がついた"暮らしやすさ"も実感できるのが、この街の良さだ。
住所 | 東京都港区東麻布2-34-2 |
電話番号 | 03-3583-4586 |
営業時間 | 9:00~21:00 |
定休日 | 無休 |
日進ハム直営の外国人向けスーパー。英文のPOPが目立つ店内は、品揃えも雰囲気も、まさに海外のスーパーマーケットに来たよう。特に、肉類や外国産の食材の質や豊富さはさすが。隣接の建物で、外国製の家庭用品、食器やギフト等も扱っている。
住所 | 東京都港区東麻布1-9-15東麻布1丁目ビル |
電話番号 | 03-3583-5968 |
営業時間 | 9:00~23:00 |
定休日 | 無休 |
桜田通り沿いにあり、生鮮食品をはじめ、できたてのお惣菜等、食材の品揃えが充実した利便性の高い食品スーパー。「お得なのにプラスワンの価値がある」プライベートブランド商品「maruetsu365」にも力を入れている。
教育環境では、周辺の私学の充実ぶりが目を引く。芝中・高、正則中・高、東洋英和女学院が徒歩圏に。麻布中・高、西町インターナショナルスクール等も近い。共働きの家庭にとっては、飯倉保育園、飯倉学童クラブが近くにあるので、心強いだろう。
住所 | 東京都港区東麻布1-21-2 |
電話番号 | 03-3583-1786(飯倉保育園) 03-3583-6355(飯倉学童クラブ) |
1・2階は飯倉保育園。3・4階が飯倉学童クラブ。学童クラブは児童館の機能も持ち、登録すれば一般の子どもでもここで遊ぶ事ができる。午前中は乳幼児の親子を対象としたプログラムがあり、保育園と合同で行うことも。
住所 | 東京都港区東麻布1-21-8 |
飯倉保育園、飯倉学童クラブに隣接する公園。遊具広場では一面に芝生を敷き、その上に大型遊具やふわふわドームが設置され、小さい子どもでも走り回って遊べる。国籍を越えて仲良く遊ぶ子ども達の姿がほほえましい。
港区役所
住所 | 東京都港区芝公園1-5-25 |
電話番号 | 03-3578-2111(代表) |
みなと図書館
住所 | 東京都港区芝公園3-2-255 |
電話番号 | 03-3437-6621 |
中之橋を渡るとすぐの場所には、国際医療福祉大学附属三田病院、東京都済生会中央病院と2つも大きな総合病院があり、いざという時に安心だ。
国際医療福祉大学附属三田病院
住所 | 東京都港区三田1-4-3 |
電話番号 | 03-3451-8121 |
東京都済生会中央病院
住所 | 東京都港区三田1-4-17 |
電話番号 | 03-3451-8211 |
また心身のケア、リフレッシュを兼ねてこんなお教室に参加してみるのもいいかもしれない。
住所 | 東京都港区東麻布1丁目 (詳しい住所は予約の際に案内) |
予約・問い合わせ | yogazabu@gmail.com (メールのみ。電話番号は予約の際に案内) |
営業時間 | 7:40~20:10(不定期)、 土曜10:00~11:00(ハタヨガ骨盤調整)、 13:15~14:15(パワーヨガ)、 14:30~17:00(養成コース) |
定休日 | 不定休 |
備考 | 港区三田1-4-17 TEL 03-3451-8211 http://yogazabu.blog123.fc2.com/ |
「ヨガアザブ」は自宅を開放して開いている、アットホームなヨガスタジオ。1レッスン1000円で気軽に参加できるのが魅力。土曜10:00~11:00(ハタヨガ骨盤調整)は、お子様連れOK。出勤前に一汗かける早朝レッスンも行っている(金曜日に不定期開催。日程はHP参照)。