麻布、青山とあわせて“3A”と呼ばれるブランド性の高い街・赤坂。エリア内には東京メトロ銀座線・丸ノ内線「赤坂見附」駅、東京メトロ千代田線「赤坂」駅、東京メトロ半蔵門線・有楽町線・南北線「永田町」駅があり、「溜池山王」駅、「国会議事堂前」駅、「青山一丁目」駅なども徒歩圏内にとらえたアクセス至便な立地。さらに官公庁に近く、国会議事堂を間近にした立地は都心というだけでなく、ビジネス・政治・文化の表舞台であり、また国際的にも注目度が高いことは、高級ホテル、各外国大使館、外国人向け住宅などが集結していることでも納得できる。
“赤坂”という名の由来は、染料として使われる植物の茜が多く採れたことから“茜山”と呼ばれ、その音が詰まったのだという。坂が多い街としても知られ、「丹後坂」、「薬研坂」、「弾正坂」など名のある坂は20以上。「丹後坂」を上った赤坂4丁目の高台エリアは、紀州徳川家の西苑であった赤坂御用地に寄り添う、徳川御三家ゆかりの地。尾張家の附家老であった竹腰家の大名屋敷などが置かれていたところで、現在は公共施設のほか学園や瀟洒な住宅街が続くエリアとなっている。
江戸時代に発展した赤坂は、寺社や公園の緑に包まれた落ち着いた街並み
赤坂の歴史は、徳川時代の始まりとともに大きく動く。家康は江戸城に入ると、赤坂を西側の要衝として重視し、赤坂の台地に紀州徳川家をはじめ身分の高い旗本や役人を配置し、低地は幕下藩士の宅地などに充てたという。その後屋敷町として栄え、さらに明治に入ると華族の邸宅へと変わった赤坂は、政財界人、文人などにも広く愛される街として、不動の人気を保ち続けた。勝海舟は20代から生涯を終えるまで赤坂を愛し、この地に暮らしていたことは有名な話。いまもその跡地が残っている(赤坂6丁目6-14)。
江戸幕府のお膝元として発展した赤坂は、「山王日枝神社」、「豊川稲荷東京別院」、「赤坂不動尊」など神社や寺が多く、緑豊かで閑静な環境が保たれているのは、歴史を語り継ぐ寺社の存在も大きいといえよう。何度となく歴史の舞台となり、多くの著名人に愛された赤坂は、公園などにその名を残している例も多い。例えば、第20代総理大臣を務めた高橋是清の邸宅跡は「高橋是清翁記念公園」となり公開されている。元大名屋敷だった「氷川公園」は美しいバラ園が有名である。
いくつもの再開発が進み、魅力ある文化都市・国際都市へと変貌した赤坂・六本木エリア。
赤坂・六本木エリアでは平成以降次々と再開発計画が持ち上がった。2003年には「六本木ヒルズ」、2007年には「東京ミッドタウン」、2008年には「赤坂サカス」が誕生し、商業・文化施設が備わる快適な街へと様変わりした。「赤坂サカス」はオフィスと商業施設棟の「赤坂Bizタワー」、「赤坂ACTシアター」、「赤坂BLITZ」があり、エンターテイメントエリアとしていつも賑わいを見せている。「グランドプリンスホテル赤坂跡地開発計画・東京ガーデンテラス」などの再開発も進み、今後も発展が期待できるだろう。
再開発ではないが「赤坂見附」駅の駅ビル「ベルビー赤坂」も建替えられ、「ビックカメラ赤坂見附駅店」として再出発をした。大岡越前守の下屋敷があった「港区立赤坂小学校」跡地には「国際医療福祉大学」の誘致も決まり、文教エリアとしてもさらなる活性化が期待されている。2020年の東京五輪に向けて、整備が始まった新国立競技場計画も進み、ますます活気あふれる街への変貌が楽しみだ。
赤坂サカス
東京メトロ千代田線「赤坂」駅直結の複合施設「赤坂サカス」。TBS放送センターをはじめ、ライブハウスの「赤坂BLITZ」や幅広いジャンルの演目を上演する「赤坂ACTシアター」などが集結。「赤坂Bizタワー」にはスーパーや飲食店など46店舗が入り、買い物スポットとしても便利。2月中旬の河津桜に始まり4月下旬の八重桜まで約100本の桜が咲き競う。
東京ミッドタウン
2007年3月にオープンした「東京ミッドタウン」は、「ザ・リッツ・カールトン東京」や「サントリー美術館」など130に及ぶ商業施設、ホテル、文化施設、オフィス、住居、病院、公園などが集約された複合施設。「ミッドタウン・ガーデン」や隣接する「港区立檜町公園」など広大な緑に恵まれた癒しの環境も特色のひとつ。
六本木ヒルズ
2003年に六本木6丁目地区の再開発として誕生。高層オフィスビル「六本木ヒルズ森タワー」、集合住宅「六本木ヒルズレジデンス」、「グランド ハイアット 東京」、テレビ朝日、「TOHOシネマズ 六本木ヒルズ」、「森美術館」などの文化施設などで構成される都内を代表するタワービル。最先端のショップや多彩なレストランが入り、イベントなども多く行われている。
赤坂花柳界を発端に、食通をうならせる街として顕在
溜池付近に料理屋が多く誕生し、赤坂花柳界として賑わったのは昭和になってからのこと。政財界人が多く行き交う街は、同時に食通をうならせる街でもあった。時代を経て赤坂には新旧の店が混在するようになったが、加賀料理専門店「赤坂浅田」や和食の「菊乃井赤坂店」、中華の「赤坂離宮」、「虎屋菓寮赤坂本店」など老舗として知られる店は健在である。「赤坂うまや」は三代目市川猿之助がディレクションをした店で、3階は一門及び紫派藤間流の稽古場になっている。開店して20年を迎える「メゾン・ド・ユーロン」は、中華とフレンチを融合した隠れ家レストラン。2014年には「俺のフレンチ・イタリアン」もオープンした。
またカフェも多彩に揃い、街散策を楽しみながらのカフェ巡りも楽しみのひとつ。「赤坂見附」駅近くの「西洋菓子しろたえ赤坂」はレアチーズケーキとシュークリームが人気の老舗洋菓子店。時代を超えて人気を保っている名店のひとつである。このように各国のレストランやカフェが集う赤坂は、グルメ垂涎の街。食通にとっては奥深い街といえるだろう。
赤坂うまや
三代目市川猿之助が並はずれた発想でディレクションを行った店。店内へ誘う石畳のアプローチ、くぐり戸を抜ける二重の入口など一軒家ならではの仕掛けを施した店づくり。季節の素材を厳選し、五感で楽しむ料理の数々が魅力。昼の部には「三代目市川猿之助の楽屋めし」といったメニューもある。
住所 | 東京都港区赤坂4-2-32 |
電話番号 | 03-6229-1661 |
営業時間 | 月~木曜11:00~14:30 17:00~23:30/金曜11:00~14:30 17:00~25:00/土曜17:00~23:00 |
定休日 | 日曜・祝日の月曜 |
メゾン・ド・ユーロン
赤坂4丁目の坂上に佇む中華料理店でヌーベルシノワの先がけともいえる名店。ミシュランで星を獲得したことがある料理長が腕をふるう料理は、厳選した旬の素材を用いた至福のメニューばかり。個室もあり記念日などの利用にも好適。メニューはランチ、ディナーともにコース料理のみ。
住所 | 東京都港区赤坂4-13-18 |
電話番号 | 03-3589-3955 |
営業時間 | 11:30~13:30/18:00~21:00 |
定休日 | 日曜、その他月に1日不定休あり |
俺のフレンチ・イタリアン
2014年にオープンした“俺の”シリーズのフレンチとイタリアンの店。本格派の味をリーズナブルにというコンセプト通り、ランチは900円台より用意。アラカルトも充実している。予約制で着席テーブルもある。
住所 | 東京都港区赤坂3-10-1 対翠館ビル1階 |
電話番号 | 03-6441-3346 |
営業時間 | 平日11:30~14:30 16:00~23:30/土日・祝日11:30~23:30 |
西洋菓子しろたえ 赤坂
1978年に創業した赤坂の老舗洋菓子店。レトロなしつらえの店内で極上のスイーツを楽しめる店。中でも人気なのが看板商品である「レアチーズケーキ」。2種類のクリームチーズを使い、ビスケットを土台に焼きあげた逸品で、これを目当てに訪れるファンも多いという。そのほかショーケースには美しく彩られた多彩な生ケーキが揃い、焼き菓子も充実。
住所 | 東京都港区赤坂4-1-4 |
電話番号 | 03-3586-9039 |
営業時間 | 月~土10:30~20:30/祝日10:30~19:30(喫茶は19:00まで) |
定休日 | 日曜 |
東西南北に5つの商店街が連なる赤坂は、暮らしやすい街としての評価が高い
2000年以降、住宅が急増した赤坂エリアは、生活施設の充実度も著しい。エリア内には「赤坂一ツ木通り商店街」、「赤坂みすじ通り会」など5つの商店街が連なり、多くの人が行き交い、活気ある雰囲気を呈している。昼も夜も賑わいのある街・赤坂は、さらにスーパーなども増え、幅広い世代が暮らしやすい街として日々変わりつつある。
「赤坂Bizタワー」内には「KINOKUNIYA entrée(アントレ)」があり、高級食材などを販売。「赤坂新国際ビル」東館1階には「マルエツプチ赤坂店」が入る。また「東京ミッドタウン」には「プレッセプレミアム」もあり、生鮮品や食材の購入には事欠かない。このほかワインセラーのような酒店「ラ・カーヴ・ド・やまや」、24時間営業の「肉のハナマサ赤坂店」、寛永元年創業の「赤坂四方」など便利なショップが充実している。
KINOKUNIYA entrée(アントレ)
赤坂駅に直結する「赤坂Bizタワー」内に入り、帰宅の際の買い物にも便利。少人数向けの惣菜パックやパン、飲料などが充実。もちろん紀ノ国屋ブランドの商品も多数。
住所 | 東京都港区赤坂5-3-1 赤坂Bizタワー B1F B05/06 |
電話番号 | 03-5561-6718 |
営業時間 | 8:00~22:00(日祝 11:00~21:00) |
マルエツプチ赤坂店
食品スーパーならではの品揃えを誇り、あわせて24時間営業というコンビニエンス的な便利さを兼ね備えた店。
住所 | 東京都港区赤坂2-14-27 |
電話番号 | 03-3588-8751 |
営業時間 | 24時間 |
赤坂四方
1624年創業の老舗酒店。酒の品揃えには定評があり、地下にはワインセラーを揃える。一般の酒店では手に入らないレアな商品が多いので、酒好きの方は一見の価値あり。
住所 | 東京都港区赤坂3-12-21 |
電話番号 | 03-3585-6711 |
営業時間 | 平日10:00~深夜1:00/土曜10:00~21:00/日・祝日12:00~20:00 |
暮らしやすい街として日々進化する赤坂は、公共・医療施設などの充実度は都心立地ならでは。「虎ノ門病院」をはじめ大きな病院に恵まれ、赤坂4丁目の高台には港区立の「赤坂コミュニティーぷらざ」があり、「港区役所赤坂地区総合支所」や「健康増進センター(ヘルシーナ)」などの施設が入っている。 創立110周年を迎えた「山脇学園」や「都立日比谷高校」、「上智大学」、インターナショナルスクールなど周辺には大学や学園も数多く、教育施設の選択肢も幅広い。
「赤坂地区総合支所内」には港区の区民課などのほか「区民センター」、「健康増進センター」などが入る。レストランの利用も可能。