江戸開幕から400年の時を刻んだ内藤家の中屋敷跡地 新宿御苑に抱かれる、緑豊かな住空間が広がる

江戸城のお膝元だった現在の新宿エリアには、幕臣永井尚政（信濃守）の屋敷があった信濃町、諏訪左門の組屋敷があった左門町など大名や旗本の名を冠した町名が多く残り、江戸の記憶を今に伝えている。内藤町も家康が譜代の家臣であった内藤清成に授けた江戸屋敷の一部だったことから名づけられた町名だ。
内藤清成は家康より「馬で一息で回れる土地を与える」と言われ、千駄ヶ谷から大久保、代々木、四谷に至る広大な領地を得たという。清成はその後、町代官や関東総奉行を歴任し、江戸初期の治世を支えた。その祖先は藤原鎌足と伝えられ、町内には鎌足を祀った多武峯内藤（とおのみねないとう）神社が現存している。
1698年には、内藤家が与えられた領地を一部返上して「内藤新宿」が誕生。甲州街道の新しい宿場町は品川、板橋、千住とともに「江戸四宿」と呼ばれ、賑わったという。それが現在の新宿となり、新宿の名も内藤氏がそのルーツといえるのである。
内藤町は、6駅5路線が利用でき、新宿駅へも歩ける至便な立地。新宿御苑周辺には、新宿駅の東西を結ぶコミュニティバスも運行されている。

内藤町は新宿駅から、歩きやすいアプローチが続く。並木道もあり、気持がいい

都心とは思えない静寂な空間が広がる「多武峯内藤神社」

内藤町交差点付近

新宿御苑周辺を走るコミュニティバス「SHINJUKU WE BUS」

風景式庭園の名作と称される「新宿御苑」。周辺にはおしゃれなレストランやカフェなど名店も揃う

明治5年、内藤家から上納された土地と買収した隣接地を合わせた敷地に、「内藤新宿試験場」が誕生。近代農業の振興を目的に果樹・野菜の栽培などの研究が行われた同試験場には、後に農事修学所（現在の東京大学農学部の前身）も設置された。明治12年には宮内省所管となり「新宿植物御苑」としてスタート。さらに明治39年には「新宿御苑」となり、プラタナス並木が美しいフランス式整形庭園やイギリス風景式庭園、昔ながらの日本庭園が巧みに配され、わが国の風景式庭園の名作と称された。戦後は国民公園として開放されることとなり、現在は環境省の所管となっている。
総面積58.3ha、周囲3.5kmと広大な面積を誇る同園は、多種多様な植物が植栽され、四季折々の景観を楽しむことができる。大木戸門近くにある「玉藻池」は、内藤清成の時代に整備されたもので、最も古くからの景観が保たれているという。

広大な「新宿御苑」を散策したら、園内のレストラン「ゆりのき」やカフェ「はなのき」でひと休みするのがお勧め。いずれも新宿御苑オリジナルのエコ・クッキングメニューが揃っていて、緑を眺めながら寛ぐことができる。
大木戸門を出ると、並木道沿いの通りには、「新宿御苑」向きにおしゃれなオープンカフェやレストランが並ぶ。またミシュランの星をつける名店が数多く軒を連ねる「四谷荒木町」も近いので、食の楽しみが尽きないエリアになるだろう。

都心のオアシスとして親しまれている「新宿御苑」

「新宿御苑」沿いの通りにはおしゃれな店が集結。緑涼やかで散策も楽しい

ケンズカフェ東京

一度は味わいたいガトーショコラの店「ケンズカフェ東京」

ホテルやレストランでパティシェとして活躍した後、氏家健治氏が新宿御苑近くにオープンした店。チョコレートのトップブランドである「ドモーリ」の創始者ジャンルーカ・フランゾーニ自らが調合した、世界唯一のグランクリュショコラ「KEN’S」でつくる究極のガトーショコラは口コミで評判になり、ガトーショコラの最高峰と呼ばれるまでに。最高級の材料と独自の製法により生み出される、完全手作り・限定生産品のガトーショコラは、1本2777円（税別）。

カフェレストラン オリオール

居心地のいい店内やテラスで、至福の料理を楽しめる店。散歩の途中のひと休みにもいい

「新宿御苑」を眺めながら、本格派のイタリアンが楽しめるスポット。ヨーロッパ郊外の杜の中のカフェをイメージしたウッディなインテリアの空間で、無農薬玄米や野菜などを使用した、身体に優しい料理を楽しめる。春には目の前に桜が咲き誇り、テラスは特等席に。テラス席なら愛犬との同伴も可能なので、散歩途中のティータイムにも好適。ピッツアなどのテイクアウトもOK。

和カフェ＆スイーツ　新宿御苑ろまん亭

和のスイーツを楽しみながら癒される「新宿御苑ろまん亭」

2010年11月にオープンしたモダンな和カフェ。「新宿御苑」の大木戸門前にあるので、御苑散策の後に立ち寄りたいスポットのひとつ。大正ロマンをイメージした店内には、アンティークの家具などが置かれ、落ち着いた空間が広がっている。中でも弾力のある歯触りの白玉クリームあんみつがお勧め。御膳やモーニングメニューもあり、一部、テイクアウトにも対応。

住所	東京都新宿区新宿1-1-1
電話番号	03-3352-1777
営業時間	平日7:30～20:00(LO19:30)、土・日・祝日8:00～19:00(LO18:30)
定休日	月曜

生活施設が整った内藤町エリア 図書館などの公共施設、教育施設、医療施設も充実

内藤町はわずか458世帯（H26年6月1日現在）が暮らす町。明治維新後に内藤家が中屋敷だったところを宅地化することによって昭和初期には住宅街へと発展し、いまなお屋敷町であった当時の風情を忍ぶことができる。 そんな内藤町には四谷区民センターがあり、区民ホール、四谷図書館などの公共施設が集約されている。特別出張所もありミニ区役所としての機能を果たしているのでとても便利だ。周辺にはスーパー、公共施設、保育園、小学校、幼稚園などの教育・保育施設が整う一方、慶応義塾大学病院などの大きな医療施設も揃っているので、暮らしやすい環境といえるだろう。
もちろん、「伊勢丹新宿店」をはじめ、一大ショッピングゾーンへ気軽に行ける立地なので、買い物の便利さは申し分ない。

芝張りの校庭がある「新宿区立四谷第六小学校」。敷地内には「新宿区立四谷第六幼稚園」もある

図書館や特別出張所などが入る「四谷区民センター」

「伊勢丹新宿店」も毎日の買い物スポット

グリーンネットワークに包まれた住環境 健康づくりも思いのままのエリア

内藤町は、目の前に「新宿御苑」を望み、その先に「代々木公園」、振り返れば「明治神宮外苑」や「赤坂御用地」の杜を望む緑のネットワークに包まれた住環境。都心にありながら広大な緑域に囲まれた環境は、ワンランク上の暮らしを提供してくれるだろう。
「明治神宮外苑」の並木道は四季折々の風情を呈し、散策やジョギングを楽しむことができる。また、神宮外苑周辺にはゴルフ練習場、バッティングセンター、テニスコートなどの施設のほかフィットネスクラブも整い、気軽に健康づくりができるのも嬉しい。子育てファミリーなら、のびのびと遊べる「にこにこパーク」(有料)などの施設もお勧めだ。

空から新宿御苑エリアを望む。緑が点在している様子が実感できる（2014年5月撮影）

外苑前の並木道沿いには、オープンテラスのお店も点在

明治神宮外苑エリアは散策スポットにお勧め。正面奥が聖徳記念絵画館

都心のオアシス「にこにこパーク」。色鮮やかなジャングルタワーやトランポリンなど、遊具が充実している。

都心を使いこなす好アクセス 洗練をつなぐ「外苑西通り」

新宿区内藤町は、丸ノ内線の「四谷三丁目」駅と「新宿御苑」駅のほか、都営大江戸線の「国立競技場」駅、JR中央線の「千駄ヶ谷」駅と「信濃町」駅、副都心線と都営新宿線の「新宿三丁目」駅が利用できるアクセスに恵まれた立地。さらに内藤町に寄りそうように走る外苑西通りは、キラー通り、プラチナ通りなどの愛称で知られ、西麻布、広尾、恵比寿、白金などの街をつなぐスタイリッシュなストリートだ。道沿いには洗練されたショップやカフェ、レストランやワインバー、ギャラリーなどが点在し、優雅な時間を過ごせる通りとなっている。

TAMBOURIN GALLERY

外苑西通り沿い、明治公園近くにある白い外観のギャラリー。“表現するのは誰でもできる”をモットーに、自由な表現の作品発表の場に活用できるギャラリーで、個性的な展示などが随時開催されている。

住所	東京都渋谷区神宮前2-3-24
電話番号	03-5770-2331
開館時間	11:00～19:00(展示最終日は18:00まで)
休館日	月曜
HP	http://tambourin-gallery.com

オー・ローズ　ファニチャー

PPモブラーや宮崎椅子製作所など各国のデザイン家具、雑貨、ファブリックなど扱っているショップ。テーブルや椅子、ソファーのオーダーなどが可能で、インテリアにこだわりたい人は必見！

住所	東京都渋谷区神宮前2-3-23 ヴィラ瑛102
電話番号	03-5772-6063
営業時間	平日11:00～18:00、 土・日・祝日11:00～19:00
定休日	月曜
HP	http://www.o-rose.com

（2014年9月取材）
本ページ内に掲載の情報は取材年月時点のものです。