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表札は出すほうが良い?出さないほうが良い?マンションの「玄関表札」のメリット・デメリット

年末から年始にかけては、お歳暮やクリスマスカード、年賀状など郵送物が増えるシーズンです。しかし、近年は玄関に表札を出さない世帯が増えており、デリバリーサービスの誤配送といったトラブルも少なくありません。実は表札には「そこに住んでいる人の名前を知らせる」という目的だけでなく、掲げることによって得られる意外なメリットもあります。そこで今回のジオプラットでは「マンションの玄関表札のメリット・デメリット」について検証いたします。

持ち家は約7割が「表札を出す」派、賃貸は約7割が「表札を出さない」派

住宅情報サイトが実施した「表札に関する調査(※1)」によると、「表札を出している」と回答した世帯は51.4%、「表札を出していない」と回答した世帯は48.7%と、ほぼ半数に分かれました。

また、持ち家と賃貸で比較してみると、分譲マンションを含む持ち家の場合は「表札を出している」と回答した世帯が77.3%、賃貸の場合は「表札を出していない」と回答した世帯が74.7%となり、「表札を出す」派は持ち家世帯に圧倒的に多いことがわかりました。ただし、同じ持ち家でも、分譲マンションの場合は一戸建てと比較すると「表札を出さない世帯」が増加傾向にあるようです。

※1:SUUMOジャーナル「表札に関する調査」より
https://suumo.jp/journal/2016/06/07/112262/

実はマンションの資産性向上につながる?「表札を出す」ことの大きなメリット

では、マンションで「玄関表札を出す」ことのメリットはどんな点にあるのでしょうか?

①居住者を明示することで誤配送を防ぐ

表札を出すことの一番のメリットは、「居住者を明示することによって、訪問者が迷わず訪ねることができる」という点にあります。友人や親せきを家へ招待するときはもちろんのこと、郵便物や宅配便、デリバリーサービスなどの誤配送を防ぐという点で効果的です。

②居住者の存在を知らせることで防災力を高める

表札を出すことによって、近隣住戸の方から「〇〇号室には〇〇さんが住んでいる」と認識されるようになると、万一大きな災害が起こった時でも、避難行動の際にご近所同士で「声がけ」をしやすくなり、救助の際の「安否確認」もスムーズに行えるようになります。逆に、表札を出ていない場合は「その住戸に居住者がいるかどうか?」の確認に時間がかかってしまうことで、救出や捜索活動に遅れが出てしまう可能性があります。

③円滑なコミュニティ形成が資産価値向上につながる

多くの世帯が暮らすマンションでは「表札を出している住戸が多いほど、マンション内コミュニティが良好である」というデータもあります(※2)。これは、表札の存在によってお互いの名前を知ることで、入居者同士の良好な関係を築きやすくなるためだと考えられます。このように、マンション内コミュニティが円滑に育まれ、管理組合の運営がスムーズに行われるようになると、定期的なメンテナンスなど良好な住環境づくりに取り組みやすくなり、結果的には「マンションの資産価値の維持・向上」につながります。

※2:マンションコミュニティ研究会調査より
http://www.mckhug2.com/20121120_hyousatu.pdf

防犯や個人情報保護のために「表札を出したくない」という意見も

一方で、表札を出すことのデメリットも考えられます。「出したくない」派の中で多くを占めているのは、「名前が第三者に知られてしまうことに抵抗がある」という意見。玄関前に表札を出すことによって個人情報が特定されてしまう可能性があり、「訪問販売や勧誘、特殊サギなどに悪用されることが懸念される」と不安を感じている方も多いようです。

近年の分譲マンションは厳重なオートロックシステムに守られており、部外者が容易に敷地内に侵入できない設計になっているため、一戸建てやアパートなどと比較すると「玄関表札から個人情報が特定されるリスク」は低くなるものと想定されますが、上記のような「もしも…」についても認識した上で、表札を出すか、出さないかについて検討しましょう。

■「表札」が義務付けられている物件もあるので注意

なお、マンションによっては管理組合の規約により「表札を出すこと」が義務付けられている物件もあります。その場合は、表示する情報を最小限にして「名字のみの表札」にしておくと、フルネームや家族構成、居住者の性別などが特定されにくくなります。

実は表札も「共用部」の一部、派手なデザイン変更はNG

マンションの玄関の外側は、区分所有者全員の財産である「共用部」にあたるため、表札についても「共用部の一部」とみなされます。また、マンション内の意匠性を統一するために、あらかじめ所定の表札デザインが決まっている物件が多く、新築分譲マンションの場合は、引渡し前のオプション相談会で、素材や字体などを選んで表札をオーダーする機会があります。

「もっと可愛らしい形したい」「もっとカラフルなデザインにしたい」といった要望があったとしても、共用部の一部を個人的な趣向で変更することは基本的にNGとなります。表札のデザインを変える場合は、事前に管理組合へ相談を行いましょう。

また、管理規約の中で特に「表札に関するルール」が定められていない場合でも、紙や木材などの燃えやすい素材を表札に使うことは好ましくありません。ステンレスや石材といった「不燃性の素材」を選ぶなど、共用部の防災にも配慮しましょう。

玄関前だけでなく、1階集合ポストの表札も忘れずに

いかがでしたか?これまで「表札は出さない」派だった方も、表札を掲げることのメリットを知るとその重要性がお分かりいただけたのではないでしょうか?なお、マンションの場合は「玄関前」だけでなく、1階の「集合ポスト」にも表札を出すスペースがあります。これから年末・年始にかけては郵便繁忙期にあたるため、この時期だけでもポストに表札を出しておくと、郵便物の誤投函を防ぎやすくなります。なお、ポストの表札はわざわざオーダーをしなくても、ラベルプリンターなどを使って簡易的なもので対応可能。こうした工夫も含めて「表札を出す?出さない?」についてこの機会にご家族で話し合ってみましょう。


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