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窓を開けるこの季節は特に気を付けたい、
マンションの騒音トラブルとその対処法とは?

新緑が芽生える初夏の季節は、窓から通り抜ける薫風が心地よく感じられるもの。しかし、窓を開ける時間が長くなると生活音が近隣住戸に伝わりやすくなり、思いがけず「騒音トラブル」へと発展してしまうケースも少なくないようです。中でも注意したいのは“自分で気づかないうちに騒音を出していた”という場合。そこで今回のジオプラットでは「マンションで起こりがちな騒音トラブル」と「その対処法」について解説します。

マンションの騒音は、大きく分けると2つの種類がある

新築分譲マンションは、もともと「壁・床・窓」の遮音性能を高めた構造になっているため、一般的な賃貸マンションやアパートと比較すると、騒音トラブルは起こりにくいと言われています。しかし、多くの人たちが同じ建物の中で生活しているため、人によって「音の感じ方」や「音の大きさの許容範囲」が異なり、その感覚の違いがトラブルの原因になります。

「気付かないうちに騒音を出していた」という事態にならないよう、まずはマンションで起こりがちな騒音の種類を覚えておきましょう。なお、マンションの騒音は大きく分けると「空気音」と「個体音」の2つに分類されます。

■空気音(空気伝搬音)とは・・・空気を介して伝わる音のこと

・人の話し声や子どもの泣き声
・テレビ、掃除機、室外機など家電製品から出る音
・楽器の演奏やスピーカーから聞こえる音楽
・ペットの鳴き声 etc

■個体音(個体伝搬音)とは・・・床や壁の振動によって伝わる音のこと

・ドアや窓を開け閉めする音
・人の足音
・給排水の音
・モノを落とした時などの軽量衝撃音
・子どもが飛び跳ねた時などの重量衝撃音 etc

なお、「空気音」に関しては窓を閉めることである程度の防音が可能ですが、「個体音」に関しては床や壁の遮音性能を高めた分譲マンションであっても、完全な防音は難しいと言われています。マンション生活では「大きな音を出さないよう気を付けながら暮らすこと」が騒音トラブルを防ぐ最善策と言えるでしょう。

騒音トラブルのワースト3は「足音」「声」「宴会」

ここからは、より具体的なトラブル事例を見てみましょう。ステイホームが呼びかけられた新型コロナウイルス感染症の流行期間においては、在宅時間が増えたことで、騒音トラブルが急増したと言われています。そのコロナ禍の2022年に不動産仲介会社が実施した「騒音トラブルに関する意識調査※1」によると、集合住宅で騒音に悩んだ経験がある人は78.2%に。
そのうち、騒音のお悩みとして以下の事例が挙がっていました。

①足音が響く(32.1%)
②声がうるさい(23.9%)
③宴会が騒がしい(9.6%)
④大容量の音楽(8.1%)
⑤楽器の音(7.6%)

※1:株式会社AlbaLinkプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000020.000055654.html

中でも、ワースト3にランクインしたのは「足音・話し声・宴会」の3つの騒音でした。その原因と対策についてもチェックしてみましょう。

【足音が響く(個体音)】

休日の朝などのんびり過ごしたい時に、上の階でドンドンと物音がして起こされるのは誰にとっても不快なものです。特に、子どもたちが室内で走り回ったり、ベッドやソファの上で飛び跳ねたりすると、その振動が床とスラブの間で増幅する「太鼓現象」を起こし、より大きな音で階下へ伝わります。時間帯への配慮も含めて、床面に振動が伝わる動作をしないよう日ごろから気を付けましょう。また、少々意外かもしれませんが、底の硬いスリッパを履いてフローリングの上を歩きまわると、パタパタという足音が階下へ伝わりやすくなります。スリッパの素材選びにも注意が必要です。

【声がうるさい(空気音)】

通常の会話であれば問題ありませんが、騒音トラブルになりがちなのは「夫婦・親子ゲンカの声」「子どもたちが騒ぐ声」「ペットの鳴き声」など。特に人の怒鳴り声や犬が吠える声は90~100デシベル超となり、騒音レベルとしては「窓を開けた地下鉄の車内」や「パチンコ店の店内」にも匹敵します。家族やペットの声が大きいなと感じたら、まずは空気音が外へ伝わらないよう窓をしっかりと閉めること。なお24時間換気の給気口や換気口から音が外へ伝わるケースもあるため、窓を閉めていても油断は禁物です。

【宴会が騒がしい(個体音+空気音)】

新居でのホームパーティーは楽しみなイベントの1つですが、お酒が入るとゲストの声はどんどん大きくなりがち。また、大人数が集まって室内を移動すると足音が階下に伝わりやすくなり、個体音と空気音が入り混じった不快な騒音となります。なお、一般的な分譲マンションの管理規約には、生活音への配慮が必要な時間帯等が記載されていることもあるので、改めて管理規約の内容を確認し、パーティー時間のスケジュールを立てましょう。また、お見送りをする時も、玄関や共用廊下で騒いだりしないようゲストへ注意を促しましょう。

騒音トラブルが起こってしまったらどうしたら良い?

マンション内で騒音トラブルが起こった場合「騒音に悩まされている側」か「騒音を出してしまった側」かで対処の方法が異なります。

■騒音トラブルに悩まされている場合

騒音の発生源と思われる住戸へ直接クレームを伝えると、かえってトラブルが大きくなることがあるため、まずは管理会社(スタッフ常駐の場合は管理人)へ相談するのが良いでしょう。伝える内容は「騒音が発生した日時、発生源と思われる住戸、騒音の内容」など。ただし、騒音は壁や天井に反響して伝わることもあるため、“○○号室が発生源だと思い込んでいたら実は勘違いだった”というケースもあります。憶測だけで断定するのではなく、慎重に管理会社へ伝えることが大切です。

なお、クレームを受けた管理会社は、発生源とされる住戸の入居者宛に文書で警告を行うほか、全入居者へ向けて掲示板等で生活マナーに関する注意喚起を行います。それでも騒音が改善しない場合は、管理組合の理事らが入居者と対面し、直接注意を行うこともあります。ただし、明らかに通常とは異なる子どもの泣き声や罵声など、周囲が不安になるような騒音が続く場合は、管理組合と協議を行った上で警察へ相談(♯9110)しましょう。

■騒音トラブルでクレームを受けてしまった場合

騒音トラブルでクレームを受けた入居者は、多くの場合「自分では大きな音を出していたつもりはなかったのに…」と感じる人が多いようです。しかし、早朝に掃除機をかける音や、夜間のバルコニーでの会話、深夜の洗濯機の音など、昼間なら特に気にならない身近な音の中にも、時間帯によっては「騒音トラブルのモト」になってしまう音がたくさんあります。

クレームを受けたら、まずはその指摘を真摯に受け止め、生活時間帯や日頃の行動の見直しを行いましょう。また、足音に対してクレームを受けた場合は、フローリングの上にカーペットやマットを敷くだけでも個体音が緩和され、防音効果を高めることができます。

なお、クレーム主の住戸や名前については、管理会社からは明かさないのが原則となっているため、先方へ謝罪したいと思っても、直接対面で行うのではなく管理会社を通じて行いましょう。

騒音トラブルが起こりにくいマンションライフとは?

いかがでしたか?マンションの場合は築年数によってもサッシの防音性や床・壁の遮音性能が異なるため、新築または築年数の浅いマンションを選ぶと、騒音トラブルを回避しやすくなります。また、子育て中のファミリーの場合は、同じ世代の親子が多く暮らしているファミリータイプのマンションを選ぶと、入居者同士の生活時間帯が似通いやすく、仮に子どもたちが大きな声を出したとしても「うちも同じだから!」とお互い寛容になれます。さらに、ペットを飼育している場合は、引っ越し入居の際に同じフロアの住戸へ挨拶にまわり、「ペットを飼っているので、もしうるさくしてしまったら申し訳ありません」とあらかじめ伝えておくと、ご近所の心証がかなり変わります。

このように「騒音トラブルを避ける工夫」や「騒音を出さないための配慮」を日ごろから実践しながら、誰もが心地よく過ごせるマンションライフを目指しましょう。

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