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ベランダガーデニングが気持ち良い季節、
知っておきたいマンションならではの注意点とは?

新緑が芽生え、カラフルな花々が風景を彩るこの季節、「マンションの中でも緑を身近に感じる暮らしがしたい」と考えている方も多いのではないでしょうか?最も手っ取り早い方法は、マンションのバルコニースペースを活用して植物を育てる「ベランダガーデニング」ですが、実は一戸建てと違い、ひとつの建物の中で多くの世帯が暮らすマンションだからこそ、気を付けなくてはいけないポイントがいくつかあります。そこで今回のジオプラットでは「マンションでベランダガーデニングを楽しむ際の注意点」について解説します。

マンションのバルコニーは「共用部」、まずは管理規約の使用細則を確認!

実はマンションのバルコニーは「専有部」ではなく「共用部」だということを知らない方が多いようです。間取図にバルコニーが含まれているため、つい“自分だけのスペース”と思いがちですが、バルコニーの本来の目的は「緊急時の避難経路の確保」であり、あくまでもマンションの共用部。その避難経路を「専用使用している」ということを覚えておきましょう。

そのため、ベランダガーデニングをはじめる場合は、まず管理規約のバルコニー使用細則を確認することが大切です。多くの場合、一般的なサイズの鉢植えやプランターの設置は認められていますが、「大量の土砂の搬入」や「タイル装飾など原状回復が難しい改造」「手すりを超える高さの大型観葉植物の設置」が禁止されているケースもあります。また、高層タワーマンションでは私物の落下事故を防止するため、そもそもガーデニング自体を禁止としているケースもあります。使用細則の内容で不明点があれば、マンションのコンシェルジュや管理組合の窓口に確認してみましょう。

マンションならではの「ガーデニングマナー」とは?

管理規約で禁止されていない場合でも、多くの世帯が暮らすマンションでは上下階・両隣など近隣住戸への配慮が必要になるため、以下のような「ガーデニングマナー」を心がけましょう。

【ガーデニングマナー①】避難経路を塞がない

万一マンション館内で火災等の緊急事態が発生した場合は、バルコニーを使って上下&横移動で避難を行います。お隣の住戸との間にある「隔て板」や、バルコニーの床・天井に設置された「避難はしご」の周辺に鉢植えやプランターを置いておくと、避難経路を塞いでしまうことになるため、ガーデニング用品等を放置しないよう気を付けましょう。

【ガーデニングマナー②】排水溝のお掃除をこまめに行う

バルコニーでガーデニングをしていると、水やりのときに鉢植えから流れ出た土や砂、落ち葉、花殻、枯れ枝などのガーデニングゴミが発生します。そのまま放置しておくと、バルコニーの排水溝が詰まってしまうことがあるので、こまめに清掃を行いましょう。市販の「ベランダ排水溝カバー」などを活用してゴミ詰まりを予防するのもおすすめです。

【ガーデニングマナー③】害鳥や害虫を寄せ付けない品種を選ぶ

鳥や虫たちは、緑のあるところに集まります。特に、街の中に緑が少ない都市部では、背の高い観葉植物が置かれたバルコニーを目指してハトが飛来し巣作りをはじめたり、家庭菜園の野菜を狙って雑食のカラスがやってくることもあります。また、春から初夏にかけて美しい花を咲かせる「ブルーベル」や「モッコウバラ」は甘い香りを漂わせるため、スズメバチを引き寄せてしまうことも。近隣住戸に迷惑をかけないよう害鳥や害虫を寄せ付けにくい品種を選ぶようにしましょう。

【ガーデニングマナー④】演出の“やりすぎ”には注意する

オープンテラスカフェをイメージしてテラコッタタイルを敷きつめたり、壁にツル性の植物を這わせたり…とお洒落なベランダガーデニングを楽しみたいところですが、マンションでは12~15年に一度実施される「大規模修繕」でバルコニーの清掃と防水施工を行うため、バルコニーに置かれたものをすべて撤去しなくてはいけない時期が必ずやってきます。せっかくステキなガーデニング演出を行っても「いずれ片づけなくてはいけない」ということを念頭に置いて“やりすぎ”には注意しましょう。なお、壁に這って広がるようなツル性の植物はコンクリートの表面を劣化させ、そこから浸水して内部腐食につながる危険もあるため、マンションのベランダガーデニングには適しません。

【ガーデニングマナー⑤】大量&勢いよく水やりをしない

バルコニーの排水溝は、あくまでも「雨水排水用」の設備。一度に大量の水を流すと下階に水漏れしたり、隣の住戸のバルコニーへ水が流れ出たり、排水管が詰まって逆流を起こすことがあるため注意が必要です。また、ハンギングプランターへの水やりの際は、下階の洗濯物を汚してしまったり、道路を歩いている人にかかってしまうことも。なるべく床におろしてから少量ずつ水やりをするなどの配慮を行いましょう。

マンションのベランダガーデニングと「相性の良い植物」の選び方とは?

手すりで囲まれたバルコニーは、夏場に熱がこもりやすくなったり、風通しや日当たりが悪かったりと、植物にとっては地植えよりも過酷な生育環境となります。初心者の方はマンションのベランダガーデニングと相性の良い品種からチャレンジしてみましょう。

■直射日光や気温変化に強い植物

オープンカフェでもよく見かける「オリーブ」や「シマトネリコ」は、直射日光や寒暖差に強く、初心者でも比較的育てやすい植物。冬枯れの無い常緑樹のため一年中緑が感じられる点も人気の理由です。ただし、成長スピードがとても早いため定期的な剪定が必要。バルコニー手すりから大きくはみ出さないよう注意しましょう。

■少量の水でも元気に育つ植物

鉢植えやプランターを使うベランダガーデニングは、地植えよりも水やりの調整が難しく、水枯れを起こすことも少なくありません。特に家を空ける機会が多い方はソーラーパネルでタイマー設定できる小型潅水器を活用すると、出張や旅行などの長期不在時も安心です。また、「サボテン」や「サンスベリア」など保水力の高い多肉植物を選ぶと、うっかり水やりを忘れても元気に育ちます。

日常の生活風景に緑を採り入れることでやすらぎ感がアップ!

最近、都市や住宅・オフィスの環境デザインで注目を集めているのが「緑視率」。人は「視界に占める緑の割合=緑視率」が高くなるほど「やすらぎを感じやすくなる」との心理的効果が報告されています。ぜひ皆さんもベランダガーデニングを楽しみながら、マンションの住空間に緑の風景を採り入れてみてはいかがでしょうか?

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