梅雨時のマンション見学には様々なメリットがある?!
雨の日に出かけたい「完成物件」のチェックポイントを解説
マンション見学はお天気の良い日に出かけるもの──そう思っている方が多いのではないでしょうか?もちろん快晴の日なら気分も晴れやかで、現地周辺の街並みや室内空間も明るく感じられるため「物件に対する良い印象が残りやすい」というメリットがありますが、その反面、良いところばかりを見てしまい「肝心な弱点を見落としやすくなる」というデメリットもあります。これから家族が長く暮らす住まいを選ぶ上で、実際に現地を訪れ「住まいや住環境の弱点」を知っておくことは、とても重要な判断材料となります。そこで今回のジオプラットでは、梅雨時だからこそ出かけたい「雨の日の完成物件のチェックポイント」について解説します。
部屋からの眺め、陽当たりや風通しなど、図面ではわからない「心地よさ」を確認できる完成物件
多くの新築分譲マンションでは、建物が完成する前に「マンションギャラリー」でモデルルームを公開し、実際の住戸を確認することなく「申込登録」や「契約」を済ませる流れが一般的です。しかし、完成物件では、現地のマンション内でモデルルームを公開したり、エントランスなど共用部や実際の住戸を事前確認できる物件もあります。
完成物件の最大の魅力は、実際の建物や住空間を隅々までチェックしてから検討できること。特に、雨の日に現地を訪れておけば「住まいや住環境の弱点」についても確認でき、そこを納得した上で購入検討できるため、マンションという大きな買い物を決断する際の安心感につながります。
では、ここからは雨の日だからこそしっかり見ておきたい「完成物件のチェックポイント」を紹介します。
雨の日だからこそ様々な気づきがある!完成物件を見学するときの「5つのポイント」

完成物件の見学では、建物の存在感や外観デザイン、共用部のしつらえのほか、
●エントランスから住戸玄関までの移動にどれぐらい時間がかかるか?
●住戸内の陽当たりや風通しは良好か?
●図面で想像していたイメージと比べて部屋や収納の広さに問題はないか?
●窓の向こうにどんな風景が見えるか?
●窓を開けるとどんな音が聞こえてくるか?どんなにおいが漂ってくるか?
など、間取図だけではわからない「五感の印象」で実際の住戸を確認できるため、新生活をリアルにイメージしやすくなります。中でも“雨の日だからこそチェックしておきたいポイント”は次の5つです。
【チェックポイント①空間の明るさや湿気】
完成物件の場合、モデルルーム住戸には照明・空調・家具等が設置されていますが、その他の住戸は設備がほとんどついておらず「インテリア演出無しのリアルな状態」を内覧することになります。特に雨の日は陽光が届きにくくなるため、住戸の中へ入った時に暗く湿った印象を受けることも少なくありません。
その“リアルな状態を許容できるかどうか?”を確認するのためにも、雨の日のマンション見学は絶好の機会となります。「照明が点いていない状態で採光がどれぐらい確保されているか?」「壁のクロスが湿っていたり、風通しが悪く不快なにおいを感じる場所がないか?」などを確認しましょう。

【チェックポイント②共用廊下やバルコニーの水はけ】
新築マンションは排水溝も防水シートも新しい状態にあるため、設備の不具合によって「共用廊下やバルコニーの水はけが悪くなる」ということはまずありません。しかし、ごく稀に雨が吹き込みやすい場所があり、共用廊下(外廊下)に水たまりができていたり、バルコニーに設置された雨水配管から大きな流水音や振動を感じることがあります。
また、意外に見落としがちなのは「駐車場の水はけ」について。駐車場の床面には緩やかな傾斜が設けられ、排水溝へ向かって自然に雨水が流れる設計になっていますが、区画によっては雨水の流れが集中して水たまりができやすくなる場所もあります。こうした「雨が吹き込みやすい場所・雨水が溜まりやすい場所」をチェックしておきましょう。
【チェックポイント③雨の日の共用部動線】
駐車場やゴミ置き場が「建物の外」にあるマンションの場合、敷地内を移動する途中で「屋根がついていない場所」を通らなくてはいけないこともあります。駐車場からエントランスまでの間で傘が必要になる距離はどれぐらいか?ゴミ置き場の施錠・解錠をするときに雨を除けることができる庇がちゃんとついているか?など「雨の日の動線ストレス」についても確認が必要です。
【チェックポイント④雨の日特有の騒音】
雨の日は、周辺道路の交通渋滞によってクラクションの音が騒々しく響いたり、自動車のタイヤノイズが増して普段より走行音が大きく聞こえることがあります。また、最近タワーマンション等で採用されている「ダイレクトウィンドウ」は、庇が無く雨粒が直接窓ガラスに当たるため、雨音が大きく感じられることもあります。窓を開けた状態と閉じた状態で「雨の日特有の騒音がどう聞こえるか?」についてもチェックしましょう。
【チェックポイント⑤周辺道路の安全性】
雨の中で傘をさしていると、他の人とすれ違う時に歩道幅が窮屈に感じたり、視界が狭くなって車や自転車の存在に気付かなかったりと、周辺道路を歩いていてヒヤリとすることが多々あります。また、歩道上で水たまりができやすい場所や、側溝から水があふれやすい場所、大雨が降ると冠水しやすくなる場所が近くにあることも。特に就学中のお子さんがいらっしゃるファミリーの場合は、マンション周辺の道路だけでなく「通学路の安全性」についても確認しておくと良いでしょう。
雨の日の見学でも「心地よさ」を感じるマンションなら、入居後の充足感も高くなる
近年は地球温暖化の影響を受けて“亜熱帯化が進んでいる”と言われる日本。気象庁のデータによると、1時間あたり50mm以上の雨が降る「大雨」の発生回数は、1970~80年代と比べて約1.5倍に増加しており、全国的に降雨時間が長くなっていることがわかります。つまり、“長雨と共に暮らす住まい”だからこそ、雨の日の様子を知っておくことが大事。契約前に確認しておけば、実際に入居した後で「こんなはずじゃなかった」というイメージの乖離が無くなるほか、雨の日の様子を見て「この空間が心地よい」と感じるマンションなら、入居後の充足感もきっと高くなるはずです。梅雨時のこの機会をチャンスと捉え、気になる「完成物件」を見学してみてはいかがでしょうか?