蕨市は埼玉県南東部に位置し、東京都心まで約30分という立地に恵まれている。面積は5.11平方キロメートルと日本の市で最も小さく、人口密度は最も高い。「蕨」駅周辺を中心に公共施設やショッピング施設が集まり、市内各地から使いやすいことが魅力だ。
蕨市ではこのような特徴を活かし、「安心とにぎわい みんなにあたたかい 日本一のコンパクトシティ蕨」をキャッチフレーズに街づくりを進めている。
蕨市は、江戸時代に中山道が整備されると「蕨宿」が設けられ、蕨は宿場町として栄えた。また、江戸時代末期からは織物の生産も盛んになる。1889（明治22）年には蕨宿と塚越村が合併して蕨町が誕生、1959（昭和34）年には市制を施行して蕨市になった。
戦後すぐの1946（昭和21）年には、蕨町で「青年祭」の催しのひとつとして「成年式」が行われた。その後、この行事は全国に広がり、「成人式」と呼ばれるようになった。このエピソードから蕨市は成人式発祥の地としても知られている。
日本初の成人を記念する「成年式発祥の地記念像」
蕨市中央の街並み
ノスタルジックな商店街と商業施設の使い分けで、日々の買い物を楽しむ
「蕨」駅を利用する際は、駅前に商店街やスーパーマーケットがあるので便利。「蕨駅西口商店街」は、駅から西へまっすぐ1kmほどのびており、新鮮な青果が並ぶ「HAND TO HAND」やドラッグストア「セイジョー 蕨店」などが軒を連ねている。
商店街を進んだ先には「西友 蕨店」があり、24時間営業で食料品や日用品を販売。その周辺にはスーパー「マルエツ 蕨店」もあり、9時から21時まで営業。2階には100円ショップ「ダイソー」が併設しているので、何かと重宝することだろう。
わらび機まつり
この「蕨駅西口商店街」では、夏に蕨の大イベント「わらび機まつり」が4日間に渡って開催される。駅前通りは箱飾りで彩られ、七夕装飾や屋台、ステージショーなどでにぎわう。2023年（令和5）年には約24万人が訪れた。蕨市では風物詩的に親しまれているもので、昭和26年に第一回が開催されて以来、蕨が誇る祭りとなっている。
休日にゆっくりショッピングをしたいなら、「イオンモール川口前川」が駅から東へ1.5kmほど進んだところにある。隣接する川口市の大型商業施設で、スーパーマーケットからファッション系のショップまで約160店舗が並ぶ大規模なモール。「蕨」駅前から出ているバスなら、10分ほどの乗車時間でアクセスでき、広々とした駐車場も完備している。
西友 蕨店
| 住所 | 埼玉県蕨市中央3-17-18 |
| 電話番号 | 048-432-5661 |
| 営業時間 | 24時間営業 ※一部店舗は異なる |
イオンモール川口前川
| 住所 | 埼玉県川口市前川1-1-11 |
| 電話番号 | 048-263-5000 |
| 営業時間 | 10:00～21:00 |
市役所から児童館まで公共施設が集まる
市の中央エリアとあって、公共施設が生活圏内に多く集まっている。「蕨市役所」は、2023（令和5）年に新庁舎が完成したばかりで、カフェスペースや防災拠点の機能も備わっている。また、2028（令和10）年には「蕨市立病院」が建て替え予定だが、近くには「蕨休日・平日夜間急患診療所」もあるので安心の環境だ。
子育てに関する施設が多いのも魅力で、「蕨市立福祉児童センター」は市内で最も大きな児童館。「地域子育て支援センター・きらきら・きっず」や「地域子育て支援センター・バンビー」では、子育て家族が集まったり育児の相談もできるので心強い。さらに「蕨市立図書館」には21万冊近い蔵書があり、おはなし会などイベントも多く催されているので、子どもが読書を身近に感じることができる。
また、中央浄水場通りから駅側に一本入った「金山公園」の横には、毎年7月上旬〜9月第1週頃まで営業している市営の「蕨市中央プール」がある。夏休みシーズンには、水泳や水遊びを楽しむことができるほか、夏祭りやフラダンスショーなどのイベント、子ども向けスイムレッスンなども行われている。
新庁舎になったばかりの「蕨市役所」
| 住所 | 埼玉県蕨市中央5-14-15 |
| 電話番号 | 048-432-3200 |
| 開庁時間 | 8:30～17:15 |
| 休庁日 | 土曜、日曜、祝日、年末年始 |
レッスンもおこなう「蕨市中央プール」
| 住所 | 埼玉県蕨市中央2-18-29 |
| 電話番号 | 048-444-2444 |
| 営業時間 | 9:00～17:00 |
自然環境に恵まれ、のびのび遊べる公園も充実
子どもが毎日楽しく外遊びできる公園が点在しているのも魅力の一つ。「中央公園」は、真ん中に緑豊かな円形広場が設けられており、滑り台やブランコなど遊具もそろう。「あけぼの公園」は、遊具が一通りそろうだけでなく、桜や子どもが育てる美しい花壇が特徴。「せせらぎ公園」は、その名の通りせせらぎで水遊びができ、近くの小学校から続く桜並木が見どころとなっている。
その他にも6月にはアジサイが咲く「ねむのき公園」や、市営プールに併設された「金山公園」などがあり、四季折々の楽しみがある環境。線路近くにある「大荒田交通公園」は、公園内には本物そっくりの交差点や踏切が設けられており、遊びながら交通ルールを学べる公園で、2024（令和6）年3月にリニューアルオープンした。
あけぼの公園
| 住所 | 埼玉県蕨市南町1-15 |
大荒田交通公園
| 住所 | 埼玉県蕨市南町2-3-1 |
大事なひとと過ごしたいグルメスポット
ビストロ酒場 ウラロジ
カジュアルな雰囲気の店内
食欲をそそられるプレート
ヨーロッパ風の料理が楽しめる「ビストロ酒場 ウラロジ」は、JR「蕨」駅西口から歩いてすぐのところに店を構える。駅の利用者には使い勝手のよい便利なロケーションだ。名物は“信じられない時間のハッピーアワー”で、店がにぎわう19:00～21:00（日～木曜日）に設定されている。他にも、好きな料理を5品選び、無制限の飲み放題がついた女子会プランなど、インパクトのあるサプライズが用意されている。美味しい料理をリーズナブルに楽しめることから熱烈なファンも多い。料理については、エリア内で提供している店が少ないという「ラクレットチーズ」をはじめ、「スフレオムレツ」、「牛タンのカルパッチョ」、「ゴルゴンゾーラのムースと蜂蜜のブリオッシュ」などが人気。また、ドリンクメニューについては、定番から自家製濃厚果実酒まで実に幅広い。
| 住所 | 埼玉県蕨市中央1-29-4 |
| 電話番号 | 048-452-4004 |
| 営業時間 | 11:30～15:00、17:00～23:30 |
ピッツェリア オオサキ
店舗外観
人気メニューの「ピッツァ マルゲリータ」
下蕨公民館通りにある「ピッツェリア オオサキ」では、薪窯で焼き上げるナポリピッツァと、美味しいイタリア料理を楽しむことができる。同店は、イタリア・ナポリで1984（昭和59）年に創立された非営利団体「真のナポリピッツァ協会」の定める諸条件をすべてクリアした県内初の認定店。イタリア・ナポリで受け継がれた製法を尊重して焼き上げている。同店で最も人気があるのは、モッツァレラ、バジル、チェリートマトを使ったシンプルな「ピッツァ マルゲリータ」だ。定番を味わった後は、「ピッツァ ビスマルク」、「ピッツァ クワトロフォルマッジョ ハチミツ添え」なども試してみたい。こだわりのナポリピッツァを家に持ち帰れるテイクアウトも人気だ。
| 住所 | 埼玉県戸田市下戸田2-24-23 |
| 電話番号 | 048-446-0300 |
| 営業時間 | 11:00～15:00（L.O.14:30）、17:00～21:00（L.O.20:00） |
| 定休日 | 月・火曜日 |
（2024年1月取材）
本ページ内に掲載の情報は取材年月時点のものです。
