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マンション購入時に現金で支払うことになる「手付金」とはどんなもの?

春は住まい探しのベストシーズン。新年度のスタートに向けて「マンション購入計画を立てはじめた」という方も多いのではないでしょうか?マンションの購入シミュレーションを行うとき、住宅ローンの返済額や管理費・修繕費など「今後のランニングコスト」についてはしっかり把握していても、意外に見落とす人が多いのは「契約時に現金で必要となる経費」について。そこで今回のジオプラットでは「マンション購入時の手付金」について解説します。

まずはマンション購入時に必要となる「諸経費の目安」を知っておこう

一般的に、新築分譲マンション購入時には「物件価格の3~5%の諸経費が必要になる」と言われています。
その内訳は
●登記費用
●住宅ローン事務手数料
●住宅ローン保証料(金利に上乗せ分割も可能)
●固定資産税・都市計画税
●印紙税
●火災保険料
●修繕積立一時金(修繕積立基金)
等で、これらの費用は基本的に現金で用意することになります。

こうした諸経費とは別に、契約をおこなうために必要となるのが「手付金(契約金)」です。
※諸経費の額は、物件価格やローンの組み方、借入額によって異なります。
※現金のみでの購入の場合は、「住宅ローン保証料」「住宅ローン事務手数料」「登記費用の一部」 はかかりません。
※住宅ローン以外にも「フラット35」などの融資を利用されると、別途費用が発生します。

申込・契約の際に必要となる「手付金」とは?

■手付金(契約金)
正式な売買契約を締結するにあたり、買主が売主に対して購入金額の一部を先払いするのが「手付金(契約金)」です。

手付金は契約締結時に現金で支払われ、買主が支払った手付金を売主が受領することにより、売主・買主の双方がその不動産の売買に合意したものとみなされます。手付金はマンションの売買代金には含まれませんが、ほとんどの場合、実際には「手付金は残代金支払時に売買代金の一部に充当する」などと契約書に明記し、売買代金の一部に充当します。手付金は宅地建物取引業法に基づく法的な拘束力があり、一般的に金額の目安は新築物件の場合で売買金額の概ね5%~10%と言われています。なお、物件価格の20%を超える手付金の請求は違法となります。

■万一のときに手付金が返還される「手付金保証制度」とは?
不動産会社が倒産するなど、売買契約が効力を失ったにもかかわらず、買主が売主から手付金の返還を受けることができなくなった場合には、「手付金保証制度」により手付金等が返還されることになります。保証対象となるのは「手付金の元本のみ」で、売買価格の20%以内、または、1000万円までのいずれか低いほうの額が限度とされています。なお、この制度を受けるための保証料は不要です。

手付金(契約金)を支払う際の注意点は?

「手付金」は不動産の売買契約を締結する際に、必ず現金で用意しなくてはならないお金で、買主が売主に対して支払います。この手付金には
●解約手付・・・一方的な解約の際に相手方に支払うもの
●違約手付・・・契約不履行となった場合に違約金として支払うもの
●証約手付・・・契約を結んだ証として買主から売主へお金を預けるもの
という3つの意味合いがあります。
買主が支払った手付金は、最終的には「購入代金(頭金)の一部」に充当されますが、万一契約を解除することになった場合は「どちらから申し出たか?」によって返還の扱いが異なります。

■買主側からキャンセルした場合は返還されない(買主の手付流し)

買主が自身の都合により売買契約をキャンセルした場合、手付金は「違約金(解約金)」として売主にそのまま支払われます。具体的には「住宅ローンの融資が受けられなくなった(※ただし、ローン特約を付加している場合は除く)」「購入意欲がなくなった」「他に欲しい物件が見つかった」などの理由が想定されます。

■売主側からキャンセルした場合は2倍の額が返還される(売主の手付倍返し)

売主が自身の都合により売買契約をキャンセルした場合、「手付金の返還」に加えて、手付金と同額の「違約金(解約金)」を買主に対して支払うことなります。具体的には「もっと高い値段で買ってくれる人が他に見つかった(中古物件の場合)」などの理由が想定されます。

なお、買主の手付流しも、売主の手付倍返しも、「相手方が契約の履行に着手する前までに行うこと」が民法によって定められており、それ以降は解除ができなくなります。契約の履行に着手するタイミングというのは、売主が「所有権登記を行った場合」や、買主が「引っ越し業者との契約を行った場合」など、具体的な行動を起こしたタイミングのことを指します。このタイミングについても後々トラブルになりやすいため、契約時には「双方合意の上で手付解除ができる期間はいつまでか?」をしっかりと確認しておきましょう。

万一に備えて「ローン特約(ローン条項)」を付加しておこう

住宅ローンを借り入れてマンションを購入する場合、売買契約を締結した後に住宅ローンの「本審査」が行われます。仮に事前審査が通っていたとしても、「契約者の信用情報の申告内容に不備があった」「契約者の健康状態に問題があり、団体信用生命保険に加入できない」等の理由により、本審査で落とされてしまうケースも少なくありません。

こうした事態に備え、あらかじめ「ローン特約(ローン条項)」を付加しておけば、「ローン審査が通らなかった」「希望する額の融資が受けられなかった」等の理由でも、ペナルティなしで売買契約を白紙に戻すことができ、支払った手付金は全額買主に返還されます。

ただし、一部の金融機関では「ローン特約」を付加できない住宅ローン商品もあるため、ローン申込時に特約の有無について確認しておきましょう。なお、ローン特約には以下の2つの種類があります。

●解除条件型ローン条項・・・ローン不成立の場合、自動的に売買契約の効力が失われる
●解除権留保型ローン条項・・・買主による解除権の行使があってはじめて売買契約の効力が失われる(ローン不成立でも買主が解除の意思を示さない限り売買契約は存続。期日を過ぎると違約金が発生するケースがあるため注意が必要)

「現金で支払う経費」にも注目しながら購入シミュレーションを!

いかがでしたか?売買契約を締結する際に支払う「手付金」、契約時~引渡し前までに支払う「諸費用」など、マンション購入の際には、必ず「現金」が必要となる場面があります。こうした“住宅ローン以外の経費”にも注目しながら購入予算のシミュレーションを行ってみて下さいね!


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