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キッチンのディスポーザーはどうやって掃除する?
意外に知らない人が多い注意点を解説!

キッチンで出た生ごみをその場で粉砕して処理槽へ流す、生ごみ処理機「ディスポーザー」。その歴史は古く、約100年前の1920年代にアメリカ人建築家が「妻の家事負担」を減らすために考案したのが始まりだったと伝えられています。その後1970年代に入ると日本でも大手家電メーカーがディスポーザーの製造を開始。1990年代には日本独自の排水処理システムが確立され、多くの分譲マンションへ導入されるようになりました。いまや「一度使ったら手放せない」と言われるほど便利な家電となったディスポーザーですが、実は意外に「正しいお手入れの方法」を知らない方が多いようです。そこで今回のジオプラットでは《ディスポーザーのお掃除方法と注意点》について解説します。

まずはディスポーザーの仕組みを理解しよう!

ディスポーザーには様々な種類がありますが、多くのマンションでは、キッチンのシンク下に本体を設置し、排水口から生ごみを投入してスイッチを入れると生ごみが細かく粉砕され、水道水と一緒に排出される仕組みになっています。

排出された粉砕ごみは、専用の処理槽で「生物処理=微生物による分解・浄化」が行われ、その後下水道へ流れる仕組みが一般的ですが、ごく稀に処理槽を設けず「下水道への直接排出」を許可している自治体もあります。

このディスポーザーの導入によって家庭ごみを削減することができるため、最近は「環境保護」の観点からディスポーザーの導入を推奨する自治体が増えています。

なお、マンションの場合、処理槽の設置や設置場所の確保にコストがかかることから、「大規模物件のほうがディスポーザーを導入しやすい」と言われています。

要注意!ディスポーザーに流すと「故障」につながる生ごみとは?

ディスポーザー付きのマンションでは、入居時にメーカーの設備仕様書が配布されますが、使用手順の説明を確認しただけで、お手入れの注意点を把握しないまま使っている人が意外に多いようです。前述の通り、各住戸のディスポーザーは、マンション共用部の処理槽につながっています。ひとつの住戸で誤った使い方をすると、共用施設の故障につながることもあるため、改めて次の点に注意しましょう。

■ディスポーザーに流して良い生ごみは?

野菜くず、果物くず、白飯(炊いた後の残飯)、麺類、肉や魚の小骨、パン、茶葉など

■ディスポーザーに流してはいけない生ごみは?

・繊維が多いもの・・・玉ねぎの皮、とうもろこしの皮、タケノコの皮、パイナップルの皮、バナナの皮など
・弾力があるもの・・・タコ、イカ、鶏の皮など
・硬いもの・・・卵の殻、栗の鬼皮、魚の大きな骨、カニ・エビなどの甲殻類の殻、貝殻、桃の種、ナッツ類、生米(炊く前のお米)など

■生ごみ以外で“うっかり投入”に気を付けなくてはいけないものは?

・金属類・・・栄養ドリンクのキャップ、アルミホイルなど
・プラスチック類・・・ペットボトルのキャップ、食品包装用ラップ、納豆等に付属する調味料の袋やビニールなど
・木竹類・・・割りばし、つまようじ、竹串、切り花の茎など

上記の中でも特に「卵の殻」を流すと、粉砕された破片が排水管の内部に蓄積しやすくなり、詰まりや逆流の原因になることが報告されています。また、生ごみではありませんが、インスタント食品を湯切りしたときの熱湯や調理後の油などを大量に流すと、排水管が劣化しやすくなり、処理槽の微生物にも影響が及ぶことがあるため注意が必要です。
※ディスポーザーの機種によって粉砕パワー等が異なるため、詳しくはメーカーの設備仕様書をご確認ください。

知っておきたい、ディスポーザーのお手入れ方法

複雑な仕組みに感じるディスポーザーですが、実は普段のお手入れ方法はとてもシンプル。使用頻度に応じて週に2~3回を目安に次の方法を実践してみましょう。

■排水洗浄

ディスポーザーは普段ゆるやかな流水で粉砕ゴミを排出しているため、定期的に大量の水で排水洗浄を行うと、排水管に残った汚れを取り除きやすくなります。水の量はカレー鍋やパスタ鍋など大型の鍋1杯分(約6リットル程度)が目安。このとき、ディスポーザーのスイッチはオフの状態にしてフタを外し、そこへ一気に排水溝へ水を流します。ゴーッという流水音が聞こえたらお掃除完了の合図です。

■氷洗浄

ディスポーザーに氷を5~6個投入し、スイッチをオンにして粉砕します。「硬いものを入れてはいけないのでは?」と思いがちですが、自然に溶けていく氷だけはOK。粉砕した氷の破片が内部に飛び散り、付着した汚れをそぎ落としてくれます。また、氷を削ることによって粉砕刃を研ぐ効果につながります。

■バスケット(取り外し)洗浄

一部のディスポーザーでは「バスケット」と呼ばれる粉砕室内部のカゴを取り外しできるものがあります。このタイプは隅々までお手入れがしやすい反面、放置しておくとバスケットのすき間に粉砕カスが溜まり、悪臭が発生しやすくなるため、こまめに取り外して食器用洗剤で洗いましょう。説明書で禁止されている場合を除き、食洗機に入れて丸ごと洗うとお手入れの手間を軽減できます。

■ニオイ対策

ニオイが気になるときは、柑橘類の皮を使ったお手入れもおすすめです。オレンジ、レモンなどの⽪を適当な大きさにカットして空のディスポーザーの中に⼊れ、水を流しながらディスポーザーを作動させると、柑橘類の⽪に含まれるリモネンという成分が雑菌の繁殖を抑え、ニオイ対策に効果的。また爽やかな香りでディスポーザー内をリフレッシュできます。

やってはいけない!ディスポーザーのお手入れ方法

インターネット情報では「重曹」や「クエン酸」を使ったお手入れ方法が推奨されている記事を多く見かけますが、弱アルカリ性の重曹や弱酸性のクエン酸を大量に使用すると、処理槽の微生物の働きが弱まってしまうことがあります。

同様に「キッチン漂白剤」は強いアルカリ性となるため、ディスポーザーへの使用はNG!年末の大掃除のときなど、いつもより丁寧にお手入れをしたい場合は、食器用の「中性洗剤」か、ディスポーザー専用の「バイオ洗剤」を使うよう注意しましょう。

■ディスポーザーのお手入れで使ってはいけないもの

・塩素系漂白剤(アルカリ性)
・酸素系漂白剤(弱アルカリ性・酸性)
・熱湯
※重曹・クエン酸・お酢の大量使用は、処理槽への影響だけでなく、本体内部の劣化につながることもあるため避けたほうが良い。

ディスポーザーの寿命は7~10年ぐらい、不具合を感じたら管理会社へ相談を!

いかがでしたか?「ずっと卵の殻を流していた」「いつも漂白剤でお手入れしていた」など、今まで知らずにいた注意事項もたくさんあったのではないでしょうか?なお、使用頻度にもよりますが、ディスポーザーの寿命は7~10年ほどとされています。「ディスポーザー作動中にいつもと違う音がする」「粉砕処理能力が落ちてきた」「本体から水漏れしている」などの不具合を感じたら、まずは管理会社に相談を。不具合の箇所によっては管理費で修繕が行われる場合もあるため、管理組合の指示を待ってから適切な修理・交換を依頼しましょう。

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