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マンションへ引っ越したら、ご近所への挨拶は必要?不要?
戸建てとは異なるマンションの引っ越し挨拶マナーとは

みなさんは引っ越しのとき、ご近所への挨拶まわりを行っていますか?一戸建ての場合は、町内会への参加や回覧板の受け渡しなど、何かとご近所づきあいが密になるため、引っ越しの際には「向こう三軒両隣」への挨拶が不可欠とされていますが、近年は集合住宅が増え「余計なご近所づきあいをしたくない」という人も多いことから、引っ越し挨拶を省略するケースも増えているようです。しかし、新しくマンションの一員になるときは、引っ越しの挨拶を行っておくと、入居後に様々なメリットがあります。そこで今回のジオプラットでは、引っ越しをする前に知っておきたい「マンションの引っ越し挨拶マナー」についてご紹介します。

引っ越し挨拶、「分譲マンション」の場合は必ずしておいたほうが良い

住宅情報サイト『LIFULL HOME’S PRESS』の調査によると、「引っ越しのとき、ご近所の人に挨拶をしなかった」と回答した人は全体の35%。中でも、10代・50代は「挨拶をしない」という人が多かったのに対し、30代・40代は「挨拶をする」との回答が多く、世代による違いも明らかに。地域との関わりが増える子育て世代は「良好なご近所関係を築くため」に挨拶まわりをする傾向、逆に、単身・DINKSの場合は、プライバシーや防犯に配慮して「あえて挨拶をしない」という傾向があることがわかりました。

ちなみに、賃貸マンションの場合は、比較的短いサイクルで入居・退去が繰り返され、頻繁に入居者が変わるため「ご近所づきあいは必要ない」という意見が多く見られます。しかし、分譲マンションを購入して引っ越しをする場合や、分譲賃貸物件に引っ越しをする場合は、マンションの管理組合の活動に参加する機会も出てくるため、引っ越しの時に挨拶をしておいたほうが、その後の居心地が断然良くなります。

LIFULL HOME’S PRESS
https://www.homes.co.jp/cont/press/report/report_00171/

■メリット①お互いに「どんな人か?」を知ることで安心できる

引っ越し挨拶の最も大きなメリットは「どんな人が暮らしているか?」をお互いに知ることができる安心感。対面で挨拶をすることで「隣の住戸にはどんな人が住んでいるか?何歳ぐらいの人が住んでいるか?何人ぐらいで暮らしているか?」という基本情報をキャッチしやすくなります。同時にお隣の方に対しても、自分たちの家族構成を伝えることで安心してもらえます。特に、小さなお子さんがいる場合は「子どもが騒ぐことがあるかもしれませんが・・・」と事前にお詫びしておくことで事情を理解してもらうことができ、「うちも小さな子がいるからぜんぜん気にしないで!」という会話から、コミュニケーションがスムーズに育まれることもあります。

■メリット②ご近所トラブルを防ぎやすくなる

引っ越しの時に一度挨拶をしておくと、入居後後エレベーターホールで顔を合わせたり、エントランスですれ違ったときも自然に挨拶を交わせるようになります。こうして「顔がわかるお付き合い」ができるようになると、お互いに気心知れるようになり、ゴミ出しのマナーや、部屋からの物音など“うっかりやってしまったこと”ぐらいなら許容できる関係になります。もちろん、マンション生活のマナー違反行為は厳禁ですが、“ちょっとうっかり”を許し合えるご近所関係が構築できればお互い気持ち良く暮らせます。

■メリット③万一の災害時に共助がしやすくなる

大きな災害が発生した場合、自治体からの避難勧告が発令されない限り、マンションでは基本的に「在宅避難」が原則となります。そのとき、近隣住戸の家族構成を知っておくと、お互いの安否を気遣ったり、姿が見えない場合は管理組合に報告するなど、共助活動をスムーズに行えます。また、避難を行う際にも、ご近所同士で声がけをすることで迅速な避難行動が可能に。「小さなお子さんがいるから大変だろう」「高齢者の方だから一人で行動するのは不安だろう」など、万一の時にもご近所同士が思いやりをもって行動できるようになります。

引っ越し挨拶は引っ越しの前日までに済ませるのが望ましい

では、引っ越しの挨拶はどのタイミングで行うのが良いのでしょうか?

■理想は引っ越しの前日までに

最も理想的なタイミングは「引っ越しの前日まで」です。マンション内の引っ越しでは、共用部の什器や内装を傷つけないために、エントランス、エレベーター、共用廊下まで、引っ越し業者が運搬用の養生を行います。また、荷物搬入のためにエレベーターを長時間使用したり、住戸前の共用廊下に一時的に段ボールが山積みになるなど、他の入居者の方に迷惑をかけてしまうことも少なくありません。そのため、引っ越しの前日までにご挨拶を済ませ、「〇日の〇時ごろ、引っ越しをいたします。少々騒がしくなりますが申し訳ありません」と、引っ越し日時の告知をかねてご挨拶しておくと良いでしょう。

■前日が無理な時は遅くとも引越し当日から3日間程度までに

しかし、引っ越しの直前は片付けや準備で何かと慌ただしいもの。特に、遠隔地への引っ越しとなると、前日までのご挨拶が困難なことも多いはず。そうした場合は、遅くとも引越し当日から3日間程度。できるだけ早めに訪問し、ご挨拶を済ませるようスケジュールを立てましょう。

■訪問の時間は10時~20時あたりが常識的

挨拶をする時間ですが、10時~20時あたりが常識的とされています。朝の時間は先方が忙しく迷惑がかかる場合がありますし、夜遅くに挨拶に行くと警戒されてしまいます。

挨拶する範囲は、同じフロアの住戸と真下の階の住戸、管理人室も忘れずに

次に、挨拶をする範囲について。多くの世帯が暮らすマンションの場合、すべての住戸にご挨拶をすることは難しいため、以下の範囲を目安にしましょう。

■同じフロアの住戸

同じフロアの住戸の方とは、エレベーターホールで顔を合わせる機会が多くなります。また、引っ越し荷物の搬入時に迷惑をかけることも多いため、両隣はマストの上、できればすべての住戸にご挨拶を行うのが理想的です。ただし、1つのフロアに十数世帯が入っているような大規模マンションの場合は「同じエレベーターを使う住戸まで」で良いでしょう。同じフロアの同じエレベーターを使うご近所の方と顔見知りになっておけば、フロアで知らない人を見かけた時にも警戒することができ、マンション内の防犯性向上につながります。

■階下の住戸

近年の新築マンションの防音性能はかなり高められていますが、足音などの重量衝撃音はどうしても階下へ伝わりやすくなります。そのため、真下の住戸の方へひとことご挨拶を済ませておくと、騒音トラブルを回避しやすくなります。

■総戸数が少ないマンションは

総戸数が少ないマンションの場合や、同じフロアにあるお部屋の数が少ない場合には、左右と下のお部屋だけでなく他のお部屋にも挨拶に伺ったほうがいい場合もあります。1部屋や2部屋だけ残してしまうと、よく思わない人もいるかもしれませんので、マンションの形状や総戸数によって臨機応変に対応するようにしましょう。

■管理人室(コンシェルジュカウンター)

管理人さんやコンシェルジュスタッフは、クリーニングの取次、共用施設の予約等のサービスのほか、マンション内の困りごとについて相談にのってくれる頼もしい存在。引っ越し荷物を搬入する前に、真っ先に挨拶を済ませておくと良いでしょう。

挨拶に伺うときは家族全員で行った方が良い

引っ越し挨拶はできるだけ家族みんなで伺った方が良いでしょう。家族みんなで行く事で相手からの信頼感アップに繋がりますし、ご近所付き合いの絆が深まるスピードも速まります。また、自分の子どもの顔を知っておいてもらうと、何かあった時に声をかけてもらうなど、防犯面で安心感が生まれます。このように家族みんなで挨拶に行くことはメリットが多数あり、おすすめです。

手土産を選ぶなら、賞味期限の長いお菓子やギフトカードがおすすめ

挨拶の時には500円~1000円程度の手土産を用意します。賞味期限の長いお菓子や、洗剤などの生活用品のほか、最近はギフトカードを手土産に選ぶ人も増えているようです。ただし、管理人室には、スタッフの皆さんで分けられるよう個別包装のお菓子を選ぶと良いでしょう。

■留守の場合はメッセージを添えてドアノブに

マンション内では各住戸の生活時間帯が異なるため、せっかく挨拶に訪れても留守であることが多いかもしれません。また、インターホンのTVモニターに知らない人が映っていると、あえて応答しないお宅もあります。万一留守だった場合は、手提げの紙袋に手土産を入れて、挨拶文を添えた上で玄関のドアノブにかけておくのもひとつの方法です。このとき、手土産を宅配ボックスへ預け入れることはNG。宅配ボックスの数には限りがあるため、本来の宅配荷物の受け取りができなくなり、他の方に迷惑をかけることになりますから注意しましょう。

円満なご近所関係づくりは「適度な距離感」で

いかがでしたか?一戸建てとは少々異なる「マンション特有の引っ越し挨拶マナー」について、おわかりいただけたでしょうか?多くの世帯が暮らすマンションの中には、ご近所づきあいを苦手とする人もいます。そのため、ご挨拶の時は「手短に済ませること」「プライベートに入り込むような詮索をしないこと」も大事。お互いに適度な距離感を保ちながら、円満なご近所関係づくりを心がけましょう。

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