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マンション購入時に入るべき保険とは?
知っておきたい保険の種類と補償範囲

マンションは住まいであると同時に、多くの人にとって人生最大の資産です。その「大切な資産」を守るため、万一に備えて様々な保険商品が用意されていますが、補償内容をしっかり理解しないまま「とりあえず担当者から勧められたまま保険に加入した」という方も少なくないようです。そこで今回のジオプラットでは、マンション購入時に加入できる保険の種類や補償内容、保険料の目安について解説します。

マンション購入時に加入できる保険にはどんな種類がある?

マンションに関わる保険は、自然災害による建物被害や損失、室内で起きた事故・盗難の補償まで大小様々な内容があり、大きく分けると以下の3種に分類されます。
●火災保険
●地震保険
●家財保険

※地震保険は単独では契約できず、必ず火災保険に付帯して加入することになります。

ここで注意したいのは、マンションの場合「共用部」と「専有部」で保険の種類が異なること。エントランスホールやラウンジ、共用廊下、外壁など、区分所有者全員の共有資産とみなされるスペースに関しては、別途管理組合として保険に加入することになり、各世帯で加入する保険では補償の対象外となります。
※なお、以下に記載した内容はすべて「専有部=各世帯で加入する保険」に関する解説です。

マンション保険のベースとなる「火災保険」、補償内容は?保険料はどれぐらい?

住宅ローンを利用してマンションを購入する場合、多くの金融機関が「火災保険への加入」を融資条件としているため、通常は住宅ローンとセットで火災保険に申込みます。ただし、「金融機関から紹介された保険に必ず加入しなくてはいけない」ということではありません。

金融機関から紹介された保険に加入する時は、住宅ローンの手続きと一緒に行うことができるため簡単なステップで申込みが完了するほか、保険料の割引きが適用されることもあります。しかし、保険商品の選択肢が少なく、不要な特約が付加されているケースもあるため、他の保険商品と比較しながら内容をしっかり検証しましょう。

■火災保険の補償内容は?

火災保険は、ボヤ・失火・延焼や、落雷・爆発による火災、自然災害(水災・風災・ひょう災・雪災など商品ごとに補償範囲は異なる)等で被った損害を補償してくれる保険です。なお、同じ自然災害でも地震・噴火・津波に関しては補償の対象外となっているため、別途地震保険に加入する必要があります。

■火災保険の保険料の目安は?

保険料は全国一律ではなく「建物の所在地」「建物の構造」「建物の築年数」と「補償内容(特約)」によって料金設定が異なります。これは地域や建物性能によって損害リスクが異なるためです。ちなみに、東京都の新築マンション(鉄筋・鉄骨)の場合、保険料は1年契約で約3000円~約4000円(いずれも地震保険の付帯なし・家財セット)となります※1。

■注意点:質権設定が行われることも

住宅ローンを利用する場合、火災保険の保険金を請求する権利に対し「質権の設定」を求められることがあります。質権設定を行うと、保険金の受け取りは質権者である金融機関となり、質権者の同意無しに火災保険を解約することはできません。

※1:価格.com「マンションの火災保険比較」より

火災保険に付帯する「地震保険」、補償内容は?保険料はどれぐらい?

地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と民間損害保険会社が共同で運営している公共性の高い保険です。政府と民間の損害保険会社が共同で運営していますので、どの保険会社で加入しても補償内容や保険料は同じです。地震災害による被災者の生活の安定を図るため、保険料を準備金として積み立て、大地震発生後に一定規模以上の保険金支払いが生じた場合は、保険金の一部を政府がバックアップ(政府再保険)することになっています。また、地震保険単体で申込むことはできず、必ず火災保険とセットで加入することが原則となります。

■地震保険の補償内容は?

一般的な火災保険では補償されない地震・噴火・津波を原因とする火災・損害・埋没・流失などの損害が補償されます。また、「建物」と「家財」のそれぞれで契約することになり、契約金額は火災保険の契約金額の30~50%の範囲内に定められています。なお、地震保険の契約限度額は建物5000万円、家財1000万円までとなります。

■地震保険の保険料の目安は?

火災保険同様、地震保険の保険料も建物の所在地・構造によって異なります。財務省の「地震保険の基本料率」によると、保険金額1000万円あたりの保険料率は保険期間1年につき7300円(北海道など)~2万7500円(東京都など)と地域によって大きく異なります※2。

■注意点:地震保険料控除の申告を忘れずに

免震・耐震構造など住宅性能に応じた割引制度が用意されているほか、年間支払い保険料の一定額(年間5万円まで)が所得税から控除される「地震保険料控除」を受けることができます。所得控除の申請は年末調整または確定申告で行います。

※2:財務省 地震保険の基本料率(令和4年10月1日以降保険始期の地震保険契約)

※参考:国税庁 地震保険料控除

保険金額を幅広く設定できる「家財保険」、補償内容は?保険料はどれぐらい?

家財保険は家の中にある「生活用の動産」が損害を受けた時に補償される保険です。家財保険単独でも加入できますが、マンションを購入した場合は火災保険(建物)とセットで加入すると保険料が割安になるため、建物+家財一式で加入するケースが一般的です。

■家財保険の補償内容は?

火災や自然災害のほか、上階からの水漏れ、盗難、不測の事故等によって損害を受けた家財が対象となります。具体的には、家具、家電、衣類、布団、食器、自転車など日常生活で使用しているもので、損害を受けた家財の新価(同等のものを再取得するために必要な金額)が契約金額の範囲内で補償されます。補償内容は保険商品や特約によっても範囲が異なりますが、1つあたり30万円を超えるような貴金属・宝石・美術品などは「明記物件」と呼ばれ、事前申告が必要になります。

■家財保険の保険料の目安は?

家財保険の保険料は保険金額によって異なります。保険金額については「建物の面積」「家族構成」「世帯主の年齢」を目安にして算出されるほか、保険会社が定めた家財評価の範囲内であれば保険金額を自由に設定することも可能です。なお、30代単身世帯の場合、保険金額の目安は約400万円で保険料は年間約5000円、30代3人家族の場合、保険金額の目安は約700万円で保険料は年間約7000円です※3。

■注意点

家の中にあるものでも、通貨、クレジットカード、電子マネー、小切手、有価証券、ペット、植物、パソコンの中のデータやプログラムなどは家財には含まれません。また、家の外に持ち出した家財は補償対象外となるため注意が必要です。自動車や大型バイクも対象外です。

※3:チューリッヒ保険会社「家財保険の目安」より

もしも・・・に備える「安心感」と「保険料」のバランスを見極めよう

いかがでしたか?大切な住まいや家族の生活を守り、リスクを最小限に留めるためには「火災保険」「地震保険」「家財保険」への加入が心強い備えとなります。しかし、保険の補償範囲が広くなれば、当然ながら月々の保険料負担が大きくなるため「本当に必要な補償」を見極めることも大切です。補償金額や特約内容については、FPなど保険のプロに相談するのもおすすめ。「保険に守られる安心感」と「支払う保険料の額」のバランスをじっくりと検討しましょう。

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