梅雨時になると気になるお部屋のニオイ、
場所別ニオイの原因と防臭対策をご紹介!
「外から帰ってくると、なんだか家の中が臭い」──最近、そんなお部屋のニオイの変化を感じている方も多いのではないでしょうか?湿度が急激に高くなる梅雨時は、カビや雑菌が繁殖しやすい季節。同時に、気温上昇によってニオイ分子の揮発性が高くなるため、冬場よりも嫌なニオイを感じやすくなります。そこで今回のジオプラットでは、お部屋の中の場所別で考える「ニオイの原因と予防策」について解説します。
お部屋の中にニオイが充満している時はまず「除湿」から
特定の場所からではなく、お部屋全体に嫌なニオイが充満している場合、壁から発生する臭気が疑われます。実は、キッチンで揚げ物・炒め物などの料理をすると、換気扇で吸引できなかったニオイの成分はお部屋の中に広がり、壁クロスなどに付着します。空気が乾燥している寒い季節だとあまり感じませんが、気温が上昇してお部屋の湿度が高くなると、壁にしみ込んだニオイ成分が空気中の水蒸気によって押し出され、イヤな臭気を放出するのです。
そのため、お部屋の防臭対策は、まず「除湿」から。エアコンの除湿モードや除湿機を活用し、湿度を40~60%未満でキープできるように設定しましょう。なお、お部屋全体を除湿したい場合は、すべての窓を閉め、室温の最も低い北側の部屋で除湿機をかけながら各部屋のドアを開放しておくと、湿度が均一になり効率良く除湿できます。
キッチンのニオイの原因と対策は?
お部屋の中で、最もイヤなニオイが発生しやすいのがキッチン。前述の通り、換気扇で吸引しきれなかった「付着臭」のほか、炒め物で使った油や肉・魚料理の残りカスの脂質が酸化して発生する「酸化臭」、三角コーナー・濡れふきん等で繁殖する「雑菌臭」など、様々な原因が悪臭のモトになっています。キッチンのニオイを予防するためには、日ごろから以下の点に注意しましょう。
■三角コーナーを使わない
生ゴミを集めておく三角コーナーは、お手入れを怠ると黒カビや雑菌の温床になりがち。思い切って三角コーナーを無くしてしまうのも1つの方法です。不要な新聞紙や投函チラシなどを箱型に折りたたんで置いておけば、その都度使い捨てできるため衛生的なほか、最近は水栓に引っ掛けるホルダータイプの水切りネットなど、アイデア商品も多数揃っています。三角コーナーを無くすことでシンクを広く使えるメリットもあります。
■ふきんのニオイは熱湯消毒で撃退
一度雑菌が繁殖してニオイ癖がついてしまったふきんは、洗濯をしてもなかなか悪臭が消えません。頻繁に新しいふきんに交換するのが一番ですが、どうしてもふきんのニオイを消したいなら「煮洗い」がおすすめです。大きめのステンレス鍋に水を張り、重曹大さじ2~3杯とふきんを入れて15分程度煮沸。そのまま自然に冷まし、すすいでからしっかりと乾燥させましょう。
■排水溝には50度ぐらいの熱さのお湯を流す
排水溝のお手入れには、ヌメリ除去剤や排水管洗浄剤など多くの市販商品がありますが、手っ取り早くニオイを除去したなら「お湯を流す」のも効果的です。雑菌は熱に弱い性質があるため、料理の片付けが終わったあと、毎回50度ぐらいの熱さのお湯を流す習慣をつけるだけでも滅菌効果が期待できます。なお、キッチンの排水管の耐性は60~70度とされており、熱湯を流すと破損につながる恐れがあるため、温度設定には注意しましょう。
洗面室・バスルームのニオイの原因と対策は?
洗面室やバスルームのニオイの発生源は、主にカビが付着した「換気扇」と、皮脂や石鹸カスが溜まった「排水溝」の2つです。つまり、日ごろから換気扇と排水溝のこまめなお手入れを心がけていれば、悪臭を防ぐことができます。
■浴室の換気扇フィルターは2週間に1度お掃除を
最近の新築マンションのバスルームには、換気扇・暖房・乾燥機の機能が合体した「浴室暖房乾燥機」が採用されています。意外に知らない人が多いようですが、この浴室暖房乾燥機にはスライド式で引き出せるフィルターが装着されており、お手入れを怠るとフィルター部分にカビが付着して浴室内に胞子を飛散。このカビがイヤなニオイの原因になっています。
お手入れ方法はエアコンフィルターのお掃除要領と同じ※1。ホコリを掃除機で吸い取ったあと、柔らかい布で水拭きするか、汚れがひどい場合は中性洗剤を薄めたぬるま湯でそっと撫でるように洗ってから、水洗いをして乾かします。なお、浴室暖房乾燥機本体の吸込口は、お風呂洗いのついでに毎回水拭きしましょう。
※1:ジオプラット エアコン掃除の手順と注意点を参照
■下水のニオイがする時は「封水切れ」の可能性も
洗面室やバスルームの排水溝には皮脂・垢・石鹸カスが溜まりやすく、そこへ雑菌が繁殖してヌメリや悪臭を発生させます。特に、バスルームの排水溝のフタ(裏面)とヘアキャッチャーは汚れが付着しやすいため、入浴後に毎回さっとお湯で流すようにすると、カビやニオイの予防につながります。
また、洗面室では洗面台や洗濯機置き場の排水溝から下水のようなニオイが漂ってくることがあります。排水溝には「排水トラップ」がついており、トラップ内に水を溜めておく「封水」によって下水から昇ってくるニオイを遮断していますが、出張や旅行等で長期間留守にすると、封水が蒸発しイヤなニオイが充満します。封水切れが疑われる場合は、まずコップ1杯の水を排水溝にゆっくりと流し込みましょう。何度か水を流してもニオイが解消しない場合は、排水パイプ内に汚れが蓄積している可能性が高いため、市販の強力洗浄剤等を使ってパイプ洗浄を行います。
リビング・寝室の原因と対策は?
リビングや寝室のニオイの主な原因は「エアコンのカビ」や「布製品に染み付いた人やペットの体臭」などが考えられます。特に梅雨時はエアコンの除湿機能を使用する時間が長くなりますが、エアコン内部のフィルターに湿気が溜まるとカビが発生しやすくなるため、エアコンフィルターは2週間に1度のペースでこまめにお手入れを行いましょう※1。一方、少々厄介なのが布製品に染み付いたニオイです。
■ソファ、枕&ベッドカバー、ラグマット、カーテンなどがニオイの発生源
梅雨時は汗や皮脂の分泌が活発になる季節。ソファや枕カバー・ベッドカバーなどに汗や皮脂が付着すると、時間の経過と共に酸化し、いわゆる“加齢臭”のようなイヤなニオイを放ちます。また、汗をかいて濡れたままの足でカーペットやラグマットの上を歩くと生乾きの状態になって雑菌が繁殖し、ニオイだけでなくダニの増殖につながるため注意が必要です。枕カバーやベッドカバーなどは週に1度の洗濯を徹底すること。また、ソファやラグマットなどの洗濯が難しいアイテムは、夜寝る前に重曹を全体にふりかけ、翌朝掃除機で吸い取れば消臭できます。カーテンはレースなら季節に一度、ドレープなら年に一度、クリーニングに出すことをおすすめします。
■風の通り道を作って生乾き臭を防止
長雨が続くと、洗濯物の室内干しによる生乾き臭が気になるもの。室内干しをする時は「風の通り道」を作ることで乾燥時間を短縮でき、イヤなニオイを防ぐことができます。方法は簡単!エアコンの対角線上に扇風機やサーキュレーターを置き、その対角線の間に洗濯物を干します。このとき、風の流れに対して平行に洗濯物を干すようにすると、風の通り道が完成します。洗濯物の間を通り抜けた湿気を含む風は、エアコンの除湿機能で吸収されるため、効率良く洗濯物が乾きます。
参考:ダイキン風の通り道
どうしてもニオイが消えない場合はプロへ依頼する方法も
今回ご紹介した予防策のほか、除湿や換気を行ってもなかなか悪臭が消えない場合は、配管の破損や詰まり、壁面内部の結露など、目に見えない部分で重大な設備不良が起こっている可能性があります。プロに依頼してニオイの発生源を特定してもらいましょう。いずれにしても、梅雨時のイヤなニオイを予防するためには、日頃からのこまめなお手入れが大事。この機会に「ニオイを出さないお掃除習慣」を身に着けてみてはいかがでしょうか?