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マンション購入、親への報告は契約の「前」と「後」どちらが良い?
報告する前に知っておきたい注意点とは

マンションは多くの人にとって一生に一度の大きな買い物。「どの場所で購入するか?」「どんな広さの物件を購入するか?」等によって、今後のライフスタイルが大きく変わってくるほか、家計プランについてもゼロからの見直しが必要になるため、マンション購入は家族にとっても一大事です。そのため、新生活スタート後の暮らし方については、契約を行う「前」に家族同士で十分話し合っておくことが大切ですが、意外に迷いがちなのが「同居していない親への報告タイミング」について。そこで今回のジオプラットでは、「親へのベストな報告タイミング」と「報告前に想定しておきたい注意点」について解説します。

後々のトラブルを避けるためには、契約「前」の報告がベスト

「自分で購入するのだから、親への事前報告は必要ない」という考え方もあるかもしれません。しかし、シニア期の親世代と、働き盛りの子世代ではそもそも「マイホームに対する意識」が大きく異なっており、特に親世代の場合は「家を買う=ずっとそこで暮らし続ける」というイメージを持っている人が多いようです。

また、親が遠隔地に住んでいる場合には、「もう地元には帰らないつもりなのか」「親の老後の面倒を見る気がないのか」「実家の土地や建物を放棄するつもりか」など、親だけでなく兄弟姉妹・親族を巻き込んでの家族間トラブルに発展するケースも少なくありません。

もちろん、親の住まい志向、資産や経済面の状況、健康状態など、各家庭ごとにそれぞれ異なる事情があるとは思いますが、なるべく早めに根回しをして契約をする「前」に報告を済ませ、マンション購入に対する親の合意を取り付けておくことが理想的な流れと言えます。

契約「前」に報告することで、親からの資金援助を受けられるケースも

事前に親への報告を行った場合、「資金援助の相談」をしやすくなる点も大きなメリットです。通常、親が子に対して現金を贈与した場合は「財産の取得」とみなされ、贈与税が発生しますが、1年間で110万円以下の贈与の場合なら非課税となり、贈与税の申告も不要です。

さらに、現在は期間限定の優遇措置として「住宅取得資金贈与の特例」が設けられており、父母・祖父母から子・孫へ住宅資金を贈与する場合には最大1000万円(省エネ住宅の場合/それ以外は500万円)までが非課税となります。なお、この特例は令和5年12月31日までの贈与が対象です。

親からの支援を受けることができれば、頭金を増やすことによって「月々の支払い額を軽減できる」など、ローン返済計画にゆとりが生まれるほか、購入資金が増えることによって「ひとまわり広い住戸を購入できる」「便利な都心寄りの物件を購入できる」など、検討物件の幅も広がります。

なお、親への事前報告や資金援助を申し込む場合は、資金計画シミュレーションを持参した上で
●どのような目的でマンションを買うのか・・・毎月家賃を払うのが無駄だから、子どもが進学するから、など。
●どのように返済していくのか・・・今は住宅ローンが低金利だから、共働きを継続することで世帯収入は減少しない見込みだから、など。

を明確に説明すると良いでしょう。ただし、「良いこと」ばかりを伝えると、親はかえって不安になるもの。「万一転職した場合」「万一病気になった場合」など、将来起こりうるリスクについても説明し、その対処策も詳しく伝えるようにしましょう。以下には、多くの親が不安に思うポイントについて「傾向と対策」をまとめます。

親世代が心配するのは当たり前。親の不安に対する「傾向と対策」を把握しておこう

●年齢的にまだ早いのではないか?

一般的な住宅ローンの返済期間は35年。定年年齢までの完済を目指すと決して早いことはない。今後の人生設計を考えた上で購入を検討していること等を説明する。

●もう少し頭金が貯まるまで待ったほうが良いのではないか?

頭金を貯めている間にも賃料を払い続けることになるため結局無駄になりがち。最近の住宅ローンは頭金0円、現金は諸経費のみでもローンを組むことができること等を説明する。

●ちゃんと住宅ローンを払っていけるのか?

現在の家賃と比較しても住居費は大きく変わらない。夫婦共働きをすることで安定した世帯収入をキープできる等、今後の返済計画について具体的に説明する。

●病気で働けなくなったらどうするのか?

住宅ローンには契約者が死亡・高度障害となった場合に残債を弁済してくれる「団体信用生命保険」が用意されている。疾病特約や休業補償を付加することもできるので、万一の時もローン破綻等のリスクを回避しやすいこと等を説明する。

親との方向性が相違している場合は、決意を持って契約「後」に報告を

親への報告のタイミングで最も悩ましいのは「明らかに親がマンション購入を反対している場合」です。例えば、「長男・長女のため実家を継がなくてはいけない」「親が遠隔地に住んでおり、いずれ老後の介護問題が発生する」「親が同居(二世帯住宅の新築)を期待している」といったケースでは、親からの反対や説得を受けて、マンション購入を断念するケースも少なくないようです。

理想的なマンションに出会い、固い意志を持って購入を決断し、親からの資金援助が一切不要な状態であれば、あえて「契約後の報告」を選ぶのも良いでしょう。以下には、親がマンション購入に反対している場合に議論になりがちなポイントについて「傾向と対策」をまとめます。

親がマンション購入に反対している場合の傾向と対策

●土地のない家を買うつもりなのか?

地方ではいまだに土地信仰・戸建て信仰の人が多く「マンションの住まい価値」を理解できない親世代も多いもの。「駅に近い」「便利な沿線にある」「職場へ通いやすい」「子どもが志望する学校に近い」など、この物件にどのような価値を見出せるのか?どうしてこの物件に住みたいのか?について明確に説明する。

●もう地元には戻らないつもりなのか?実家はどうするつもりなのか?

便利な立地のマンションなら売る・貸すといった運用の選択もしやすい。地元に戻った後、ローン完済後に賃貸運用すれば不労所得につながることもある。一生住み続ける家ではなく、「不動産資産」としての運用を考えていることを説明する。

●介護が必要になったらどうするつもりなのか?

最近のマンションは間取りの可変性が高められており、LDを引戸で間仕切りすることで「プラス一部屋」を確保することも可能。「万一介護同居を行う場合にもちゃんと対応できる」など、親が安心感を持てるように説明する。

なお、ここに挙げた傾向と対策は、「親を説得するため」だけでなく、マンション契約を行う前に必ず夫婦同士で話し合っておきたい大切な課題ばかり。10年後、20年後、30年後の自分たち世代・双方の親世代のライフスタイルの変化を想定しながら、「マンションの将来の運用方法」についてもしっかりシミュレーションしておきましょう。

親と一緒にモデルルームを訪れ「新生活への夢」を共有することもひとつの方法

仮に、親からの猛烈な反対を受けて契約をキャンセルすることになった場合は、契約時に支払った「手付金」の放棄や、契約書面内に定められた「違約金」の支払いなど、不要な経費が発生する可能性があるため、報告タイミングは慎重な見極めが必要です。また、親の合意を取り付けたい場合は、親と一緒にモデルルームを訪れ、担当者から物件の魅力を解説してもらうのもひとつの方法。ゲストルームのあるマンションなら「遊びに来るときは宿泊利用もできる」、パーティルームがあるマンションなら「孫と一緒に誕生会を開くことができる」、段差のないバリアフリー設計なら「老後の同居や介護の時も暮らしやすい」など、新生活への夢を親と共有すると購入への理解が深まります。親の合意を得た上で“家族みんながハッピーになれるマンション購入”を目指したいものです。

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