分譲マンションの引っ越しで必要な段取りと手続きは?
新生活に向けて知っておきたい引っ越しマニュアル
新居が決まり、いよいよ引っ越し──新生活の準備はワクワクする時間ですが、荷造り作業など引っ越し当日までにやっておくべきことは満載です。特に、引っ越し先が分譲マンションの場合、賃貸アパートや一戸建てとは異なり、事前に申請しておかなくてはいけない手続きが色々あります。そこで、今回のジオプラットでは、マンションの引っ越し手順と注意点について解説します。コラム最後の「引っ越し手続きチェックリスト」も合わせてご活用ください。
引っ越しが決まったら早めに準備、3か月前からスケジュールを立てておこう
引っ越し会社の繁忙期は、新年度がスタートする3月~4月と、転勤移動が多い9月~10月です。繁忙期に入ると依頼が集中して希望日を押さえにくくなるほか、料金も割高になるため、早めに見積りをとって引っ越し日を予約しておくと良いでしょう。逆に、梅雨時や11月~12月は閑散期となるため費用が割安になります。
《注意ポイント》新築マンションの「一斉入居」では引っ越し幹事会社が日程調整を行います。
新築マンションの場合、鍵の引き渡しが一斉に行われるため、管理会社と提携している引っ越し会社が幹事となり、引っ越し日程が集中しないよう事前に日程調整を行います。また、搬入作業のスケジュール調整や共用部の養生などマンション全体の引っ越し管理を取り仕切ります。調整の結果自分の 希望日に引っ越しができないケースもあるため、日程調整のルールについて事前に販売担当者に確認をしておきましょう。
引っ越しの3か月前にやっておきたいことは?
■廃棄するもの、持っていくもの、新調するものをリストアップする
引っ越しをきっかけに家具や家電の新調を検討している方も多いはず。荷造り作業に入る前に「廃棄するもの・持っていくもの・新調するもの」をリストアップしておくと、準備にゆとりが生まれます。
■粗大ごみ予約を早めに行っておく
廃棄するものを引っ越し直前のタイミングで決めると、自治体の粗大ごみ回収予約が退去日までに間に合わないケースがあります。粗大ごみの予約もなるべく早めに行っておきましょう。
《注意ポイント》家具・家電が搬入可能かどうか必ず確認を
せっかく憧れの大型ソファを購入したのに「新居の玄関から入らなかった」「廊下を曲がれず搬入できなかった」という失敗談は多々あります。家具・家電を新調する前に、エレベーターの積載荷重、玄関ドアのサイズ、廊下幅、居室ドアの高さ、居室の寸法などを確認しておくと良いでしょう。
引っ越しの2か月前にやっておきたいことは?
■引っ越し会社に見積りを依頼する
廃棄するもの・持っていくものが決まったら、引っ越し会社数社に依頼して見積りを出してもらいましょう。近年はスタッフが下見を行わず、室内や荷物の写真を送信するだけでカンタン見積りが完了する会社が増えています。新居の間取り図、階数、エレベーターの有無、周辺の道路状況や駐車スペースについても伝達しておくとスムーズに見積り依頼が完了します。なお、分譲マンションでは、引っ越し搬入時の養生に関するルールが各マンションごとに異なります。特に大規模マンションでは、館内の移動距離が長くなり養生費用がかさんでしまうことも。マンションの管理会社に養生の注意点を事前確認し、見積り時に引っ越し会社へ伝えましょう。
■現在の賃貸物件の解約手続きを行う
現在の住まいが賃貸物件の場合、引っ越し日程が決まったらすぐに退去の連絡を行います。賃貸契約の解約予告期間は「退去の1ヶ月前」に設定されていることが一般的ですが、中には大家さんの意向で2~3ヶ月前に設定されているケースがあり、予告期間を過ぎると無駄な賃料が発生します。月極の駐車場や駐輪場を借りている場合も忘れずに解約手続きを行いましょう。
《注意ポイント》愛犬の引っ越しには届け出が必要
愛犬と引っ越しをする場合、狂犬病予防法に基づき「犬の登録事項変更」を行うことが義務付けられています。多くの自治体は「引っ越し後30日以内に新住所の自治体で変更手続きを行うこと」を定めていますが、その際に旧住所の自治体で発行された書類が必要になる場合があります。引っ越し直前は何かと慌ただしく手続きをうっかり忘れてしまうことも多いため、このタイミングで必要書類等を確認しておくと良いでしょう。
引っ越しの1カ月前にやっておきたいことは?
■内覧会のときにカーテンの採寸を行う
新築分譲マンションの場合、引渡しの約1カ月前に現地建物内で「内覧会」が開催されます。内覧会時に室内へ入ったら、カーテンの採寸を行いましょう。なお、内覧会では売主と提携しているインテリア会社がカーテンの販売ブースを設けていることがありますが、市販のカーテン会社と比べるとやや割高になります。個人で発注する場合は、注文先のカーテン会社のスタッフに同席してもらい、実際に採寸してもらうと仕上がりに失敗がありません。また、引っ越し当日にカーテン取り付けが完了するよう納品日の予約も行いましょう。
■新居のレイアウトを確認する
間取図を見ながら大まかなレイアウトを決めていても、実際には窓やコンセントの位置の影響を受けて思い通りに配置できないケースがあります。内覧時は窓の大きさ、ドア開閉時のデッドスペース、コンセントの位置や高さなどを実際に確認し、改めて新居のレイアウトを確認しましょう。
■電話・インターネットの移転届を出す
NTTの電話回線を利用している場合は116番に電話をして転居の手続きを。電話工事は予約制になるため早めの連絡がおすすめです。また、インターネットについては、ネット回線の会社とプロバイダの2つの窓口に連絡を行わなくてはいけません。解約手続きや費用については各社異なるため、まずは現在の契約内容を確認しましょう。同時に、新しいマンションへ引っ越したらすぐにネットが利用できるよう申し込み手続きも早めに済ませておきます。
■転校の手続きを行う
お子さんの転校が発生する場合、引っ越し先の自治体へ転入手続きを行う際に、現在通っている学校の「在学証明書」や「教科書用図書給与証明書」等の書類が必要になります。書類発行に時間がかかる場合もあるため、早めに手続きを行いましょう。
《注意ポイント》この頃から少しずつ荷造りを
毎日使うものは除き、季節外れの衣類や来客用寝具、食器、想い出の品など、今すぐ使わないアイテムは1カ月前から梱包作業をはじめましょう。このとき不用品は思い切って廃棄すること。荷造りを早めにはじめておけば、引っ越し時に発生する大量の廃棄物も分散してゴミ出しできます。
引っ越しの1~3週間前にやっておきたいことは?
■郵便局へ郵便物転送を申し込む
郵便局の「e転居」を利用すれば、インターネット上で転居届を申請でき、旧住所あての郵便物等を新住所へ1年間無料で転送してもらえます。書面の場合は郵便局の窓口(どこの局でも可)で申請可能です。
■役所へ転出届を出す
他の市区町村へ引っ越す場合、転出の14日前から引っ越し当日までに、旧住所の役所に「転出届」を提出しなくてはいけません。転出届を提出すると「転出証明書」が発行されます。これがないと新住所の転入手続きを行えないため、引っ越しの2週間前になったら早めに準備しましょう。
■電気・ガス・水道会社への届け出
旧住所の管轄会社に連絡して引っ越し日と新住所を伝えましょう。 ガスについては閉栓・開栓ともに立ち会いが必要になるため、来訪日時を予約しておきます。
■その他届け出が必要なもの
銀行・保険・カード会社などの住所変更は、電話や専用アプリで手続きができるものも多いため、時間があるときにひとつずつ手続きを済ませましょう。
《注意ポイント》食品・日用品の整理も忘れずに
この時期に食材や日用品のストックを増やしてしまうと引っ越し作業の負担を増やすだけです。引っ越しの前日までに、できるだけ生ものや冷凍食品などの食材は減らしておくこと。また、日用品も必要最低限に抑え、買い足しを控えるようにしましょう。
引っ越し目前!前日までにやっておきたいことは?
■新居の掃除とカーテン・照明の取り付け
新居の鍵の引き渡しが完了した後は、自由に出入りできるようになります。引っ越し当日はバタバタするため、できれば前日までにフローリングの雑巾がけなど新居の清掃を済ませ、カーテンや照明の取り付けを完了させておきましょう。
■冷蔵庫・洗濯機の水抜き
水抜きは冷蔵庫・洗濯機を運ぶ前に必ずやらなくてはいけない作業です。特に冷凍庫の霜取りが完了していないと、庫内の霜が輸送中に溶け出し、汚損や故障につながる恐れがあります。購入して間もない新型モデルなら12~24時間前、古いモデルだと霜が溶けにくい可能性があるため、もっと早めに電源を切っておきましょう。
■当日必要なお金の用意
引っ越し会社へ支払うお金は、お釣りが出ないよう封筒に入れて用意しておきます。想定外の追加費用が発生する場合もあるため、予備のお金の準備も必要です。
■貴重品箱と最後の最後箱の確認
引っ越し前日までに使うものは「最後の最後箱」として、他の荷物と一緒にならによう箱を分けておき、当日の朝に封をします。また、印鑑や通帳、証書、装飾品などの貴重品は他の箱に紛れこまないよう「貴重品箱」の中にまとめ、自分たちで持ち運ぶなど厳重に管理しましょう。
《注意ポイント》改めて、引っ越し当日の段取りを最終チェック!
明日の引っ越しに備えて、当日の流れを家族で最終確認しましょう。旧居の送り出しと新居の受け入れ担当を決め、それぞれハサミ、カッター、ゴミ袋、ガムテープ、掃除道具、軍手、新居の間取図・レイアウト図などを用意しておくと便利です。
いよいよ引っ越し当日、忘れてはいけないことは?
■旧居での作業・・・電気・ガス・水道の閉栓・清算
ガスの閉栓のみ立会いが必要になります。ガス料金は日割り計算となりますが、作業員にその場で現金を払って精算する場合と、従来の口座から引き落とされるケースがあります。
■新居での作業・・・電気・ガス・水道の開栓・開通
こちらもガスの開栓のみ立会いが必要です。電気については自分でブレーカーを上げ、水道は水道メーター手前のバルブを開栓しましょう。
《注意ポイント》近隣住戸へのご挨拶も忘れずに!
新築マンションの「一斉入居」の場合は特に必要ありませんが、既に他の入居者の方が住んでいるマンションの場合は、当日の搬入作業までにご挨拶を済ませ「このあと引っ越し作業でご迷惑をおかけします」とひとこと伝えておくと、入居後のご近所コミュニケーションが円滑に行えるようになります。また、旧居の近隣住戸の方やお世話になった管理スタッフの方にも、引っ越し荷物の搬出前に挨拶を済ませておきましょう。
引っ越し完了!新生活がスタートしたらやらなくてはいけないことは?
■役所への届出(転入届)
引っ越しに伴う住所の異動手続きは、引っ越し日から14日以内に届出を行います。他市区町村へ引っ越した場合は、旧居の管轄自治体から発行された「転出証明書」と一緒に「転入届」を提出します。このとき、マイナンバーカードや印鑑証明についても変更手続きを行いましょう。
■車庫証明の取得と自動車・バイクの登録変更
車を所有していて駐車場が確定したら、原則15日以内に「車庫証明」の取得と「車検証」の変更を行わなくてはいけません。車庫証明は新居の住所を管轄する警察署窓口で。車検証は住所を管轄する陸運局(軽自動車の場合は軽自動車検査協会事務所)で手続きを行います。
■運転免許証の住所変更
運転免許証の「記載事項変更手続き」は管轄の警察署または運転免許センター等で行います。引っ越し先が同じ都道府県内であれば、免許証の裏面に新住所が記載されるのみですが、違う都道府県へ引っ越した場合は、申請用写真の提出を求められる場合があるため事前に必要書類を確認しましょう。なお、住所変更を怠ると、免許の更新はがきが届かなくなるほか、罰金または科料に課せられることがあります。
■愛犬の登録事項変更
犬を飼っている方は、引っ越し後30日以内に新居の管轄保健所へ「登録事項変更届」を提出しましょう。このとき旧住所地で発行された鑑札や狂犬病予防接種の注射済票等が必要になります。
《まとめ》チェックリストをプリントアウトして手順を確認しよう!
いかがでしたか?引っ越しをスムーズに行うためには、早めに計画を立てて「いつまでに、どの手続きを、どこで行うか?」を把握しておくことが大切です。ジオプラットでは「引っ越し手続きチェックリスト」をご用意しております。ぜひ皆さんの引っ越し計画にご活用ください。
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