阪急阪神不動産

グッドデザイン賞2014年

ジオ 新町(2014年)

概要
大阪市西区に立地する382戸の大規模集合住宅。本町・難波を中心とするビジネス街にほど近い立地特性を生かし、ハード・ソフト両面で共働き子育て世代を支援し「都心で働き、住まい、育てる」事を実現しました。建物内に設置した都市型保育園は入居者特典付きである一方、地域住民の利用も可能とし、地域に開かれた開発としています。また、従前には無かった歩道を隣接する公園と一体的に敷地周囲へ整備。四季折々の植栽によって、緑溢れる安全な遊歩道を創出したことで周辺環境へも配慮しました。本計画が仕事と家庭を両立しながら、働く女性や住まう方がより自分らしく日々を愉しむ住まいのモデルケースとなる事を目指しました。
審査員からの評価ポイント
共働き子育て世帯をハードとソフト面で支援することをテーマに掲げた大規模集合住宅。1階に保育所を併設し、大阪市で初めて「大阪市子育て安心マンション」と「ミキハウス子育て総研」の認定を受けている。市街中心地の大規模集合住宅でありながら多様なコミュニティを内包するすまいを予感させると評価されました。

阪急阪神 ゆめ・まちチャレンジ隊(2014年)

概要
阪急阪神ホールディングスグループが、多岐に渡るグループ事業のノウハウを結集し、2010年より社会貢献活動として行っている、小学生向けの夏休みの体験学習プログラム。都市交通、不動産、スポーツ・レジャー、旅行、国際輸送、ホテル等の事業現場で、様々な仕事や新たなチャレンジを体験してもらい、子ども達が職業観や夢を育む、豊かな学びの機会を提供。電車の教習所での運転シミュレーター体験や保線業務体験、阪神甲子園球場の裏側探検やスポーツ体験、ホテルシェフ直伝の料理教室、TV・ラジオ・広告の制作体験、マンションの販売員の接客体験など、2014年度迄の累計で132プログラム4,673人の小学生が参加する。
審査員からの評価ポイント
仕事の現場を使って開催される小学生向けの体験学習プログラム。電車の運転シミュレーションやホテルのシェフから教わる料理など、大人が聞いてもワクワクする仕事に直接、触れることができる。子どもたちの夢みる力、未来を生み出す力を育む貴重なプログラムである点が評価されました。

Tokyoイゴコチ論争 オープンディスカッションによる住宅計画(2014年)

概要
より豊かでイゴコチの良い暮らしを実現する住宅づくりを目指し、総戸数1229戸の再開発プロジェクトであった「Tomihisa Cross」の一度完成したプランをベースに、より住まい手の視点に立って議論するため、WEB上に企画会議室「Tokyoイゴコチ論争」を設置。誰でも参加できるオープンな環境で様々なアイデアを収集・議論する作業をプラスすることで、事業者主体の従来の方法と異なる、新しい住宅の作り方をデザインしました。4万人の参加者と10万の声を基に、住宅に新しいアイデアを採り入れ、より有効に使いこなすことのできる「1,000のイゴコチ」アイデアをまとめ、プランを磨き上げることができました。
審査員からの評価ポイント
住宅づくりにおける住民の巻き込みは年々、進化している。その中でも、このプロジェクトは取り組みの質と量で卓逸している。4万人の参加者から10万の声を集め、専門家も交えて、居心地の良さを実現する1000のアイディアとしてまとめ、空間に反映した。着工タイミングを計算し細かくゾーニングすることで、住まい手からの声をできるだけ構造や空間デザインに反映するプロセスデザインが優れており、より多くの住宅メーカーによる採用を期待したい。1000のアイディアの中には、建てる時だけでなく、住民によって継続的な取り組みが必要なものも含まれており、住み始めた後の住民間のコミュニケーションの礎になっている点も素晴らしい。「提供されるのではなく、自分たちでつくるもの」、そんな新しい住宅の作り方が見えてくるとの評価を受け、GOOD DESIGN BEST 100に選出されました。