阪急阪神不動産

グッドデザイン賞2022年

ジオ京都御所北(2022年)

概要
京都市上京区。今出川通から一歩奥まった通りに誕生しました。建築上の規制が強い京都市内の集合住宅において、いかに居住空間・外観に“心地よさ”を追求するか。「京都」の建築デザインを表面的に踏襲するのではなく、このまちならではの環境・スケール感・歴史観を捉え、デザインしました。
審査員からの評価ポイント
京都御所の北、閑静な住宅地に、周辺環境、町家、寺院建築の要素を分析し、庭、ボリューム配置、構造、間取り、仕上げを追求した総合的に優れた計画である。通り沿いには京都御所に息づく樹種を主体とした植栽を配して、圧迫感を軽減しつつ街並みに彩りを与えている。建築は雁行させることで住宅地の街並みと連続したスケールに近づけ、内部空間は外部に面した壁が増えることで光や風をより多く入れることができる質の高い配置である。高さ制限や景観規制で階高や屋根・庇等の形状が制限される中、逆梁構造の採用により天井高さに余裕を持たせ、開放感のある内部空間を実現している。深い軒裏は京都の建築を意識したもので、リズム感のあるファサードを創り出している。今後も周辺環境やその場所がもっているポテンシャルを注意深く分析しながら、地域をより良くしていく継続的な姿勢が期待されるところである。

ジオ調布(2022年)

概要
駅前の再開発事業が進む調布駅を最寄りとしながら、多摩川に寄り添う緑豊かな街並みを形成する布田6丁目エリア。外観は古くからの歴史を継ぐ戸建て邸宅街との調和に配慮するとともに、低層5階建てながら開放的な眺望を実現する配棟計画を行い、別荘地のような暮らしを提案しました。
審査員からの評価ポイント
戸建て住宅が建ち並ぶ周囲の環境に合わせて、ボリュームを分節し、3棟の低層分棟配置とした集合住宅である。傾斜地を活かした配棟計画は、周囲への圧迫感を低減するだけでなく、歴史をふまえた景勝地の眺望を獲得している点が素晴らしい。暖色カラーでコーディネイトされたファサードは、住宅街にふさわしく暖かみを感じさせるが、水平ラインを強調したスラブなどモダンな要素とも調和がとれている。敷地周辺に自生していたであろう樹種が植えられた庭園は、時間が経つにつれて、より周囲の環境に溶け込んでいくであろう。